共和国外交部副部長、UNDP会議で2000年までの農業復興計画を説明
国連開発計画(UNDP)主催による「朝鮮民主主義人民共和国の農業復興・環境保護(AREP)に関する円卓会議」が5月28〜29日、ジュネーブの国連欧州本部で行われ、共和国の崔秀憲外交部副部長が2000年までの農業復興計画について説明、国際支援を訴えた。
崔副部長は朝鮮人民は水害や旱ばつの被害を克服するために団結して立ち上がったが、生産を元の水準に戻し、食糧の自給自足体制の再確立には最低3年はかかると見ていると述べ、これはAREPアクションプランにも反映されていると言及した。
また、この状況下で共和国政府は、2000年末までにおよそ600万トンの穀物生産目標を定め、目標達成に必要なのは、主要な農地の回復と、灌漑や排水設備の復旧、山岳地帯の腐食をはじめ環境被害から回復するための計画の実行などだと語った。
そして、国際社会がこれらの事業において、進行中の人道的支援の有用性を発展させ、また持続性のある農業発展計画の導入を加速させられるよう、物質的・財政的支援を提供してくれるよう願うと訴えた。
以下は崔副部長が説明した共和国政府の1998〜2000年までの中間計画に含まれている内容である。
農業生産の復興はまず、すでに進行している国内財政の回復努力の完成に依拠する。回復の見積もり総額は17億ドルほどで、ここには協同農場などでのボランティア労働は含まれない。われわれはこれに加え、国家的な資金調達の努力を行い、まず復興に必要な外貨のため、3億ドルほどの国際支援を求めている。
農地の回復、灌漑設備の復旧、肥料生産施設の緊急改善という3つの課題を掲げ、それに対するAREPへの努力に焦点を向けようと思う。
われわれが目指しているのは第1に、水害で流されたり土砂に埋もれるなどの被害を受けた農地で、生産を完全に復興することだ。
この作業では、1万600ヘクタールの干拓地での生産復興に1億4000万ドル、600キロに及ぶ河川の補修と整備に3100万ドル、土で埋もれたり流された8400ヘクタールの農地の復旧に2300万ドルが必要だ。この作業にかかる総額はおよそ2億6000万ドルで、そのうち2億3600万ドルについては国家財源でまかなう。不足額の2400万ドルには、まず燃料費や予備部品などの外貨が含まれるが、これについてはAREP支援を求めたい。
第2は、水害で被害を受けた灌漑施設の復旧だ。
主な作業は、河川や海の堤防の復旧を終わらせ、水害が起こった後すぐ、一時的にでも安全な作業ができるよう改善するようにすることである。これは重要な作業である。2億1000万平方メートル(2万1000ヘクタール)もの農地に、2100万平方メートルの堤防が必要とされる。他の水害被害復旧にかかる費用に基づき、この作業には11億5000万ドルかかる。さらに、農地の近辺でない多くの灌漑施設がやはり修復不可能な被害を受け、新たに建設することが必要で、6億4400万ドルかかる。
第3は、肥料生産施設の改善だ。われわれは、現存の肥料施設に比較的ゆるやかな改良を加えることで、肥料コストを大幅に減らすとともに、肥料供給の安定性を高めることができると確信している。これはUNIDOが最近行ったリサーチでも再確証された。改善作業に必要な費用は4300万ドルで、そのほとんどは外貨で支払われなければならないので、AREP支援を求めたい。
これらの費用の大部分は自己負担できる。国際支援は、機械の燃料や潤滑油の購入、重機類や送電機、ポンプなどの交換や補修といった、外貨支払いが必要なものに求められるものだ。