第15回在日朝鮮オモニ中央バレーボール大会/大阪で
共和国創建50周年記念第15回在日朝鮮オモニ中央バレーボール大会(主催=女性同盟中央)が13、14の両日、大阪市浪速区の大阪府立体育館で行われ、各地の予選を勝ち抜いた14県22チーム、253人の選手が参加した。同大会は1年おきに開催されており、支部対抗の1組と本部対抗の2組に分かれ、9人制で行われる。今大会では初めて、1組(15チーム)が2部制となり、1部で大阪・中西が、2部で生野東がそれぞれ初優勝。本部チーム対抗の2組(7チーム)では群馬が初優勝した。
14県22チームが参加
1組では、予選リーグ(リンク方式)の結果により1、2部に分かれて決勝リーグと順位決定戦が行われ、2組(本部対抗)では、初日に予選リーグ、2日目に決勝トーナメント(予選1〜4位)とリーグ戦(予選5〜7位)がそれぞれ行われた。
1組の1部に進出したのは、前回上位3位までを占めた東京・練馬、足立、大阪・中西をはじめ、大田、東大阪南、北大阪の六チーム。熱戦の末、中西と東大阪南の地元大阪勢が決勝に進んだ。
決勝までの全試合をストレート(2セット)で勝ち進んだ中西は、決勝でも正確なブロックと強烈なアタックで主導権を握り、第1セットを21−14で先取。第2セットも終始ポイントをリードし21−16で勝利、初優勝に輝いた。
2部決勝では生野東と岐阜が対戦し、一進一退の攻防の末、生野東が勝利した。
一方、2組では13、14回大会と連続2位の岡山と、12回大会から3年連続3位の福井が、群馬、埼玉とともに決勝トーナメントに出場。結果、試合ごとにファイトあふれるプレーを展開した群馬が初優勝し、安定した技術を見せた福井、岡山がそれぞれ2、3位に入った。
成績
1組(支部)
1部−@中西 A東大阪南 B北大阪
2部−@生野東 A岐阜 B広島市東
2組(本部)
@群馬 A福井 B岡山
1組1部優勝 大阪・中西
勝因は「一つになった心」/目標は中央大会2連覇
優勝までの5試合すべてをストレート勝ち。優勝候補の一角にあげられていた中西は、前評判通り破竹の勢いで勝ち進んだ。
中西の選手らは初優勝のホイッスルが鳴る瞬間まで「集中しよう」「着実に1点ずつ取ろう」と声を掛け合った。
金成姫主将は、「ほとんどのオモニが仕事を持っていたが、みな忙しさをものともせず素晴らしいチームを作ろうという思いで練習に励んできた。中心選手から控え選手まで、みんなの心が一つになったから力を発揮できた。今大会ではみんなが優秀選手です」と話す。
週2回練習する一方、積極的に練習試合も組み、レシーブなどの技術向上を図り、精神力も鍛えてきた。
この1年間、時には厳しい指導に当たった申昌雨監督も「優勝できたのは家族の支えとオモニたちの情熱」と、その努力を称える。
金 子選手は、「バレーを通じて、互いを尊重し助け合う民族の伝統が着実に受け継がれていることを感じる」とオモニバレーの重要性をいう。
念願の優勝を遂げた中西のオモニたち。今後の目標は「中央大会2連覇」と意気揚々なところを見せていた。
2組優勝 群馬
同胞たちに支えられ躍進/メンバーはオモニ会役員
11回大会(90年)で準優勝して以来、入賞から遠ざかっていた群馬。今回、8年ぶりに復活、初優勝した。決勝進出をかけた岡山との試合、福井との決勝でそれぞれ勝利した瞬間、オモニらは泣いて喜んだ。
「普段は人前で涙など見せない強いオモニたちだけど、大変だった日々が思い出されて…」と朴留美主将(群馬初中オモニ会会長)も涙を拭う。
練習は週2回。練習場の群馬初中まで往復3、4時間かかるオモニも欠かさず参加した。また大会開催地の大阪までの交通費などのために、昨年10月からフリーマーケットを開いたりもした。
「経済状況が厳しい中で、自分たちの力で参加してみようと思ったから。でも同胞や総聯本部の活動家、練習期間に親しくなった日本の人たちがしっかりと支えてくれた」(朴主将)。
メンバーはオモニ会の役員を受け持ち、学校運営を支援する活動も積極的に行っている。今回の優勝が生徒らの励みになればと期待もかける。
チームの大黒柱、李美淑選手は「大会を前に負傷者が続出したが、彼女たちの分までみんなが燃えた。日本人のチームに参加して大会に出場し表彰されたこともあるが、同胞のオモニらと一つになって勝ち取った今日の金メダルが最高です」と話していた。