パリで南朝鮮非転向長期囚の送還のための国際法律家会議
南朝鮮非転向長期囚の送還のための国際法律家会議が6日、南朝鮮非転向長期囚の釈放・送還のための国際委員会、南朝鮮での民主主義と人権のための国際法律家委員会、国際民主法律家協会の3団体の共催の下、フランス・パリで行われた。各国の政界、社会界、法曹界の人士、多くの国際機構代表らが参加したほか、共和国の民主法律家協会代表団も参加した。
会場には、1950〜53年の朝鮮戦争時に捕虜となり、出所後の現在も共和国に送還されることなく南朝鮮に抑留されたままとなっている元朝鮮人民軍兵士、金仁瑞氏(71)、咸世煥氏(67)、金永泰氏(66)に対する南朝鮮当局の人権弾圧の現状を伝える写真が展示され、参加者の関心を集めた。
国際民主法律家協会のアマル・ベントミ委員長が開幕の辞を述べ、南朝鮮当局者が「国家保安法」を掲げて非転向長期囚の送還を阻み、最も初歩的な自由と権利を踏みにじるのは、明らかな国際法違反であると非難。南朝鮮当局はファッショ的で反統一的な悪法や機構を撤廃し、金仁瑞氏ら非転向長期囚を本人の要求通り、家族の待つ共和国に送還すべきだと語った。
続いて、南朝鮮での民主主義と人権のための国際法律家委員会のロベール・シャルベン書記長が基調報告を行った。
同書記長は、非転向長期囚の送還問題は、人道主義的、国際法的見地からも、一刻の猶予もない切迫した問題であると指摘。非転向長期囚は戦争捕虜として、国際法と朝鮮停戦協定に則って1日も早く共和国に送還されるべきであり、米国は朝鮮停戦協定の当事者として、戦争捕虜の処遇に当然の責任があると語った。また、南朝鮮での非転向長期囚の実態とたたかいの現状を国際社会とマスコミに知らせ、送還のための連帯運動をより強化すべきだと強調した。
会議では、各国の政府・政党、人権団体や国際機構に送るアピール文が採択され、人道主義的問題である非転向長期囚の送還と「政治犯」釈放の1日も早い実現を訴えるとともに、労働権をはじめ、あらゆる社会的権利が侵害されている南朝鮮の人権状況を積極的に知らせていくために努力すると指摘した。
また、非転向長期囚実態調査団を南朝鮮に派遣することに関する決議、アナン国連事務総長、国連人権センター、赤十字国際委員会に送る手紙、南朝鮮当局者に送る抗議書簡がそれぞれ採択された。とくに南朝鮮当局への書簡では「国家保安法」と「国家安全企画部」がいまだに維持されていることを非難、非転向長期囚に全面的な自由を保障するよう求めた。(朝鮮通信)
注】朝鮮停戦協定によって停戦後60日以内に送還されるべきだった金仁瑞氏らに対し、南朝鮮当局は「国家保安法」や社会安全法を適用して獄中生活を強要。その後、社会安全法が廃止され、咸世煥氏は89年8月、金仁瑞氏と金永泰氏は同10月に出所したが、当局は今なお保護観察法を適用して監視を続けている。