ここが知りたいQ&A/米国が共和国のミサイル問題で騒いでいるが
自主権、生存権に関わる問題/開発中止問題の討議は米国の軍事的脅威除去後に
Q 朝鮮中央通信がミサイル問題で論評を発表したが。
A ミサイル問題は朝鮮人民の自主権、生存権に関する問題であると主張している。というのも、共和国が米国と数十年間も厳しく軍事的に対峙しているからだ。米国は核兵器や大陸間弾道ミサイルを最も多く保有している軍事的超大国だ。朝鮮停戦協定はあるが、これはどこまでも一時的な「撃ち方止め」の状態であり、朝米間は今だに交戦関係、敵対関係にある。その米国のミサイルが共和国の領土を狙っているのに、共和国がそれに対抗してミサイルを開発して配備するのは当然の自衛的措置だ。外部からの軍事的脅威があるかぎり、武装力を自力で生産し配備することは、共和国政府が国防で堅持している一貫した原則だ。
共和国はこうした原則に基づき今後も、ミサイルを開発し、実験も行い、展開もするだろうとしている。
Q ミサイル問題について、これまで朝米間の協議はなかったのか。
A 2回あった。96年4月にベルリンで、97年6月にニューヨークでそれぞれ行われたが、具体的な成果はない。
Q ミサイル開発は絶対に中止できないのか。
A そうではない。共和国は、開発中止問題は朝米間に平和協定が締結され、共和国に対する米国の軍事的脅威が完全に除去された後に、上程、討議される問題であると主張している。
共和国は、1日も早く朝鮮半島で強固な平和保障システムを樹立するため、20年以上も前から米国に平和協定の締結を呼びかけている。九六年からは平和協定締結までの暫定協定締結を求めている。しかし、米国はこの提案には一向に応じず、共和国のミサイル開発のみを一方的に非難しているのだ。これは米国が、共和国を武装解除させ丸裸にし、思い通りに料理しようとの本心があるからだ。
Q 共和国はミサイル輸出も認めたが。
A 共和国は、ミサイル輸出は現状において必要な外貨獲得のためだと主張した。米国は半世紀以上も共和国を経済的に孤立させている。そのため共和国の外貨獲得源は極めて制限されている。ミサイル輸出は止むを得ない選択といえる。
武器輸出について言うならば、米国こそ世界最大の武器輸出国である。95年における南の米国製兵器購入は世界第五位だった。搬入された空対空ミサイルAMRAAMやAGM88空対地ミサイルなどの各種ミサイルは、実戦態勢下で共和国に向けられている。
米国は共和国がミサイルの開発と輸出を「凍結」してこそ経済制裁を緩和し、共和国との関係改善をすると主張している。しかし、話は逆だ。経済制裁緩和は94年の朝米基本合意文で、双方が「合意文署名後3ヵ月以内に、通信サービスと金融決済に対する制限措置の解消を含めた貿易と投資の障壁を緩和する」と明記されている。緩和措置は合意文に沿った義務でもある。共和国は米国に対する一切の経済障壁を撤廃した。しかし米国は、一部を緩和したにすぎず、自らの義務を履行せず対北交渉カードとして悪用している。
米国が真にミサイル輸出を阻止したければ、1日も早く経済制裁を解除し、ミサイル輸出中止に伴う経済的補償を行うようにすべきだ。