現代グループ鄭周永名誉会長の訪北/統一と民族発展に寄与
【平壌発=本社記者姜民牛、写真文光善】朝鮮アジア太平洋平和委員会(ア太委)と民族経済協力連絡会(民経連)の招請により、16日に板門店を通過して訪北した南朝鮮・現代グループの鄭周永名誉会長一行が23日、同じく板門店を通過して南側に戻った。一行はア太委の金容淳委員長(党書記)ら関係部門の活動家と交流を深めたほか、鄭名誉会長の故郷、江原道通川郡路上里を訪れ、親戚と10年ぶりの再会を果たした。また、南北民間経済交流にも新たな一ページを切り開くこととなった。
平壌に到着した16日夕、ア太委と民経連が催した歓迎宴の席上、鄭名誉会長は自ら育てた牛500頭を連れてきたことを強調。1989年に単身訪北した時は中国経由だったが、今回は板門店を通過して陸路で訪れることができたと、感慨深げに語った。
訪問期間、一行は平壌市内はもちろん、金剛山や妙香山といった共和国の名勝地も遊覧し、美しく荘厳な風景に目を細めた。また、18歳まで過ごした故郷を訪れた際には、親戚らと抱き合い、涙を流して10年ぶりの再会を喜んだ。
一方、現代、ア太委、民経連の間では、金剛山観光事業に関する議定書と、経済分野での協力に関する合意書が調印された。
この合意書には、祖国の自主的平和統一と民族の富強発展に、民族の構成員みなが寄与しようとの思いが込められている。事業が必ず実を結ぶという共通の認識に即して調印されただけに、その意義は大きい。
現代グループの関係者は、共和国側の協力によって短期間のうちに合意書を採択することができたと述べ、その内容に大きな満足感を示した。そして、「南北が互いに経済的な困難を経ている今こそ、民族の力を結集して難関を克服する時だ。今回の合意書採択で、南側の中小企業が北側と経済協力を行える可能性も高まった。われわれは即時、合意内容に従って行動に移すつもりだ」と強調した。
また、民経連の鄭雲業会長も「合意書にはわれわれの意思が十分に反映された。相手側が提起した案件もわれわれが受け入れることのできるものだ」と語り、これは今後も南北経済交流を前進させる重要なきっかけとなるはずだと評価した。
鄭名誉会長は22日、自ら催した答礼宴で、南北が互いに協力して祖国の繁栄を成し遂げるためにも、今回の相互協力事業を土台に、同じ民族同士が分裂を捨てて統一へ、葛藤を拭って和解へと進む栄光の道をともに進もうと訴えた。
今回の訪問は民間交流の模範であり、民族共通の利益を重んじて国の統一を願うならば、民族大団結の旗の下にだれでも団結できることをはっきりと示すものとなった。