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視点


 世代交代が進む同胞社会の中で民族性を固守し風俗、習慣を守り伝えていくことが切実に求められている。そのためには何よりも2、3世らが風俗、習慣を知らねばならない。

 1世がいれば直接、教えてもらえるが、毎年少なくなっていく現状ではそれも難しくなってきている。そんな時、手頃な「入門書」ができた。本社発行の「同胞冠婚葬祭マニュアル」だ。

 「この1冊ですべてがわかる」とうたっているように、第1章から第6章まで、礼節、冠、婚礼、喪礼、祭礼、年中行事など民族古来の風習と日本の冠婚葬祭とを比べながら行事のあり方、手順とマナーを中心に分かり易く説明している。朝鮮語には日本語のルビも振られ朝鮮語の勉強にもなる。

 イラストもふんだんに取り入れているので気軽に読め、自然と幅広い知識が身につくように工夫が凝らされている。実際、読んで楽しかったという声も寄せられた。

 発行後の反響も小さくない。電話、ファクスによる本社への注文や、文京区にある「コリアブックセンター」での直接購入、日本書店からの問い合わせもある。筆者の朴禮緒さんがある地域で講演した時、20数冊が一度に売れたという話しも聞いた。

 注文者の中には日本名だが、明らかに朝鮮人と分かる人もいる。日頃、民族の風俗、習慣と疎遠な人たちにとっては民族に触れる貴重なマニュアル書と言える。各家庭にぜひ1冊を。(喜)