創建50周年――金正日総書記が指導する共和国/第3部 軍事(上)
平和擁護/党と軍、人民の渾然一体で
米の緊張激化策に対応
金正日総書記の軍事重視思想は、「党と軍、人民の渾然一体の哲学」(労働新聞97年4月7日付)である。それまで共和国では領袖、党、大衆の渾然一体を強調してきたが、現在は軍の役割重視を強調している。
実際、総書記の今年上半期の現地指導(46回)のうち、軍関連は35回と、76%を占める。昨年同期の22回(全体は35回)を大きく上回っている。
なぜ軍を強化する必要があるのか。朝鮮半島では現在、共和国の社会主義制度抹殺を狙う米国と南朝鮮支配層による策動が執ように展開されており、緊張状態が続いたままだ。そのため共和国は、社会主義建設を推進しながら自衛のための国防力強化にも力を注がなければならない。
米国は、朝鮮解放直後の1945年9月に仁川に軍隊を上陸させ、朝鮮戦争(50年6月勃発)に参戦、53年7月の停戦後も、継続して南朝鮮に軍を駐屯させ、戦争挑発策動を繰り広げている。
とりわけ最近の米軍の動きを見ると、昨年10月、南朝鮮軍を動員して南朝鮮の空と陸と海で共和国に対する演習を行ったが、そこでは海上及び地上攻撃作戦、空中からの奇襲攻撃、核及び化学戦、後方浸透など様々な戦争演習を展開した。
また今年3月13日には、南朝鮮駐屯米第8軍と米国本土の米第3陸軍を野戦軍体制に改編したが、これは湾岸事態を口実に「2地域戦争同時対応戦略」を実現させようとする画策が最終段階に入ったことを示している。
こうした米軍の行動が朝鮮半島情勢を日増しに緊張させる原因だが、共和国はそれに対して当然の対応措置を取っている。
3月21日発朝鮮中央通信は、防衛態勢を高く保つため、同月12日から全国的な戦時状態に突入し、重要な軍事演習を行っていると明らかにした。
共和国の国防は徹頭徹尾、戦争挑発行為に対応し、朝鮮式社会主義を守るためのものである。
朝鮮革命の柱
労働新聞3月9日付は、「党プラス軍隊はチュチェ革命偉業の完成」と指摘した。チュチェ革命偉業とは、社会主義の勝利と祖国統一の実現である。
これは、思想の最強者、団結と戦闘力の最強者である軍隊を革命の柱にして、主席の偉業を最後まで完成させるための総書記の戦略的な指導大綱である(同上)。
では、軍隊をなぜ革命の柱と見るのか。150年の共産主義運動史の中では、労働者階級をその基本動力と見なしてきた。しかし、共産主義・社会主義を軍事力で孤立・圧殺させようとする勢力があるかぎり、防衛力の強化なしには国を守ることができない。共和国がここ数年繰り広げてきた「苦難の行軍」の過程で、社会主義体制を守ることができたのも、朝鮮人民軍がいたからだ。こうして軍は革命の柱として、国を守り、社会主義体制を擁護してきたのである。
米好戦勢力による戦争の危険が除去され、現在の停戦状態が平和状態に転換されれば、朝鮮半島での平和が保障される。そして民族の自主権を確立して、民族自身の力で国の統一を実現する道が開ける。
そういった意味で人民軍は現在、朝鮮半島で平和を擁護するための存在である。
つまり党と軍隊、人民の渾然一体を成してこそ、外勢から国を守ることができるのだ。
労働新聞6月25日付社説は、朝鮮人民と人民軍は平和を重んじ戦争を望まないが、敵が戦争を強要すれば、「祖国と革命の運命を守り、正義の聖戦に立ち上がる」準備ができていると強調した。(基)