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キーワードで見る最高人民会議代議員選挙


 共和国で26日、最高人民会議第10期代議員選挙が実施される。最高人民会議とは何か、選挙制度など選挙に関するいくつかのキーワードをひろってみた。

 

最高人民会議

共和国の最高主権機関/主席の選挙など20の権限

 朝鮮民主主義人民共和国の最高主権機関。社会主義憲法によると、最高人民会議休会中の常務機関は最高人民会議常設会議で、立法権は最高人民会議と同常設会議が行使すると規定されている。

 また最高人民会議は、憲法の修正、法令の制定または修正、国家の対内外政策の基本原則の樹立、国家主席の選挙または召還、国防委員会委員長の選挙または召還、主席の提議による政務院総理の選挙または召還、国家予算とその執行状況に関する報告の審議と承認など20の権限を有している。

 最高人民会議第1回会議は、代議員資格審査委員会を選挙し、同委員会が提出した報告に基づいて代議員資格を確認する決定を採択する。

 さらに最高人民会議は法制、予算、外交、統一政策など必要な委員会を設け、各委員会は最高人民会議の活動を助け、国家の政策と法案を作成、審議し、その執行対策を立てることになっている。

 

選挙制度

平等の原則、秘密投票で実施/17歳以上の全公民に選挙権

 選挙には労働者、協同農場員、軍人、知識人などすべての共和国公民(建国以前に朝鮮国籍を所有した朝鮮人とその子孫で63年の国籍法公布日まで放棄しなかった者、合法的に国籍を取得した外国人、また海外の朝鮮同胞も共和国の政治的・法的保護を受ける)が国家と社会の主人として参加する。選挙は一般的、平等的、直接的な原則により、秘密投票の方法で自由に、公正に実施される。

 17歳以上のすべての公民は、性別、民族別、職業、居住期間、財産と知識程度、党別、政見、信仰に関係なく、誰もが選挙権と被選挙権を持つ。

 90年4月の第9期代議員選挙で選ばれた代議員の比率を年齢別に見ると、35歳以下が2.9%、36歳〜55歳が56.8%、56歳以上が40.3%である。うち労働者の比率は3.7%、協同農場員が10.4%、女性は20.1%だ。また科学者、技術者など学位学識所有者は64.5%を占める。

 選挙区は、同等の人口を基準にして組織されることから、同じ数の代議員が選出される。

 また、治療者や旅行者のために病院や療養所、主要駅などに特別に選挙区分が設けられるほか、移動選挙箱による投票もできるようになっている。

 

代議員候補

総書記は第666号に登録/全選挙区で推戴

 最高人民会議常設会議は5月20日、第10期代議員選挙の実施を告示した。同月24日には楊亨燮同会議議長を委員長とする中央選挙委員会が構成された。 その後、道(直轄市)、市(区域)、郡選挙委員会はもちろん、朝鮮人民軍など軍事部門にも選挙委員会が組織された。

 6月28日に開かれた第666号選挙区有権者大会で、金正日総書記を代議員候補に推戴したのを皮切りに、7月6日までに、共和国最北端の咸鏡北道穏城郡から首都・平壌、軍事境界線都市・開城市板門郡に至るまで、また朝鮮人民軍をはじめ軍事部門を含む共和国全域のすべての選挙区の有権者大会で総書記を代議員候補に推戴した。

 各会議ではまず、報告者が総書記を各自の選挙区から第10期代議員候補に推戴することを提議した後、討論者たちが支持、賛同を表した。

 総書記は7月12日、全国の有権者に公開書簡を送り、共和国各級人民会議代議員選挙法に従い、代議員候補は1つの選挙区にだけ登録するようになっているため、第666号選挙区に代議員候補として登録することを明らかにした。

 なお各級人民会議代議員選挙法施行細則に準じて各地の分区選挙委員会では11日、有権者名簿を公示した。名簿には、当該地域内に居住する選挙権を持つすべての公民が登録された。

 

第10期第1回会議

内外政策、指導機関決定へ/選挙後1ヵ月前後に開催

 これまでの経緯からすれば、代議員選挙後に最高人民会議第10期第1回会議が開催され、今後の内外政策、国家指導機関が決定、発表されることになる。

 最高人民会議の前3期の第1回会議(第7期=82年4月5日、第8期=86年12月29〜30日、第9期=90年5月24〜26日)では、@国家主席選挙 A国家指導機関選挙 B前年の国家予算執行決算と同年の国家予算について審議されている(ただし第8期のみ、同年4月7〜9日の第7期第5回会議で Bについては審議済みだったため審議されなかった)。

 また、いずれも第1回会議は代議員選挙後1カ月を前後して開催されている。

 同時に、いずれも第1回会議の前に必ず朝鮮労働党中央委員会総会が開かれ、最高人民会議に提出する内外政策などを立案、策定している。

 それは「朝鮮民主主義人民共和国は、すべての活動を朝鮮労働党の指導のもとに行う」(憲法11条)と規定されていることから、自然の流れと言える。

 6月23日発朝鮮中央通信は「9月の国慶節行事は主席とまったく同じである偉大な金正日同志を領導者として戴く朝鮮人民の誇りを誇示する大祝典になるだろう」と強調した。

 また、労働新聞7月1日付も「今日、朝鮮人民は偉大な金正日将軍を党と軍隊だけでなく国家の最高首班に戴く熱望で胸が高まっている」と指摘した。