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夏休み、家庭で心がけて欲しいこと/東京第3初級 低学年担当者らに聞く


 各地の朝鮮学校では25日から夏休みに入る(一部を除く)。夏休みは、「学校での教育の枠から離れ、子どもたちが大きく成長できる大切な期間」(東京朝鮮第3初級学校・高幸秀先生)。同校で低学年を受け持つ先生たちに、夏休み期間中、家庭で心がけて欲しい子供たちの生活上の留意点などについて聞いた。2学期の始業式、元気な笑顔でみんなと会うために…。(東)

 

子どもの成長に大切な期間

 どうしても時間にルーズになりがちな夏休み。先生たちが最も強調するのは、「規則的な生活」だ。とくに、起床・就寝時間を普段とあまり変わらないようにすることが大切。全文姫先生(1年担任、35)は「夏休み中に朝寝坊、夜更かしの癖がついてしまうと、2学期が始まっても学校生活のリズムをなかなか取り戻すことができない」と語る。

 そのために勧めているのが日課表作り。各家庭の生活スタイルに合わせて楽しい日課表を作ってみてはどうだろう。

 食事も3度、きちんと取るのが理想的だ。とくに、夏休みにクラブ活動で登校する場合、必ず朝食を食べさせてほしいという。

 「初級部生で最も事故が多いのが夏休み中という統計もある。交通事故に水の事故…。精神的にも解放感に包まれているので要注意」と強調するのは高幸秀先生(2年担任、46)。秦玉美先生(3年担任、24)も「3年生くらいになると友達同士で遊ぶようになるので、誰とどこへ行くかなど、しっかり把握してほしい。またプールや海、遠い場所には、必ず大人がついて行ってほしい」と語る。

 「夏休みは親子が触れ合える絶好の機会。家庭ごとにできる範囲で意識的に子どもと生活をともにし、たくさん話をしてコミュニケーションを」(高先生)。「豪華な旅行に行けなくても、一つでも家族と一緒に何かをやったという思い出ができれば子どもはうれしいもの」(全先生)。

 朝鮮学校では初級部3年から理科を習うが、その内容は主に植物など自然を扱う。「どうしても学校内では限られてしまうので、できるだけ自然と触れ合う機会を設けてくれれば」(秦先生)。

 何も遠出しなくても、身近なところにも自然はいくらでもある。家の中でばかり遊ばずに、どんどん外へ出て、空気、水、光、音、匂いに神経を尖らせ、動物や虫、植物と触れ合うことが大切だ。

 家の中で、何か一つ決まったお手伝いをさせるのもいい。働くことの貴さを学び、家族の一員であることを自覚できる貴重な体験となる。また電車やバスに乗る機会に、普段は学べない公衆マナー、ルールも身に付けさせたいものだ。

 一方、保護者たちが共通して頭を悩ませるのが、どの学校でも必ず出される絵や工作の宿題だろう。「売っているキットなどをできるだけ使わずに、少々見栄えが悪くても、廃品を利用するなど子どもの創意工夫が生かされた物がいい」(全先生)。

 地域の児童館などでは、各種の手作り教室などが開かれていることも多い。高先生も「普段はあまり公共施設を利用する機会のない人も、区や市町村の児童館、図書館などを積極的に活用してみては」と勧めている。(関連記事)