ここが知りたいQ&A/板門店で将官級会議が3回行われたが
朝米平和協定、米軍撤収を/停戦協定を検討 突発事件発生時の解決方途も
Q 板門店で朝鮮人民軍と国際連合軍間の将官級会談がこれまで3回行われたが。
A この将官級会談は、朝鮮人民軍と中国人民志願軍を一方とし、国際連合軍側が調印した朝鮮停戦協定(1953年7月27日)が現在、米国の相次ぐ違反によって履行されず、さらには停戦機構がマヒした条件のもとで、朝鮮半島の強固な平和と安全を保障するための対策を討議するために開かれたものだ。各会談には人民軍の李賛馥中将と、米空軍のヘイドン少将がそれぞれの代表団を引率した。
第1回会談(6月23日)で人民軍側は、そのためには朝米間で平和協定が締結され、南朝鮮から米軍が撤収しなければならず、それまで双方間で武力衝突と突発事件などを防止し、解決するための新たな装置を作らなければならないという立場を明らかにした。
そして双方は、朝鮮半島の現実発展の要求に沿って停戦協定を真摯に客観的に検討し、それに伴う対策を講じるための会談を継続することにした(6月25日発朝鮮中央通信)。
Q 人民軍が提案した「新たな装置」とは。
A 朝米間の暫定協定を指すものと見られる。
共和国は74年に停戦協定の平和協定への転換を米国に提案したのを皮切りに、84年に朝米間での平和協定締結と、南北間の不可侵宣言採択を内容とする3者会談を呼びかけた。
さらに94年には新しい平和保障システムの樹立を提案したが、それでも米国が応じないため、96年2月に平和協定締結までの暫定協定締結と、停戦委員会に代わる朝米共同軍事機構の発足、そのための該当クラスの協議開催を米国に提案していた。
そして同年7月には暫定協定を締結し、暫定機構を設ける問題と関連して朝米将官級会談を開くための実務協議の再開を呼びかけていた。暫定協定には、軍事境界線と非武装地帯の管理、武力衝突と突発事件発生時の解決方途、軍事共同機構の構成と任務および権限など停戦状態を安全に維持するための秩序維持と関連する問題が含まれるとしている。
Q 第2、第3回会談はどうなったのか。
A 共和国側の提案により6月30日に第2回会談が開かれた。共和国側はその1週間前の23日発朝鮮中央通信を通じて20日に潜水艇が遭難したことを明らかにしていた。会談で米空軍少将が人民軍の要求通り、共和国の潜水艇船員の遺体返還で合意をみ、7月3日に板門店を通じて遺体は返還された。共和国が提案している暫定協定には、こうした「突発事件発生時の解決方途」も含まれている。
遺体返還の合意を見るまではわずか1週間だった。96年9月18日に発生した潜水艦事件の際、遺体が返還されたのは事件から3カ月以上も過ぎた同年12月末だった。
7月16日の第3回会談で人民軍側は、米国と南朝鮮が遭難した潜水艇を「浸透船」に見せかけようと試図し、さらに7月12日には南朝鮮江原道の東海市沖で新たに発見したという死体を、共和国の「武装スパイ浸透」としてでっち上げ、共和国に反対する宣伝を繰り広げているのは言語道断であると断罪し、潜水艇の乗員を自決に追い込んだことへの謝罪と潜水艇の早期返還を強く求めた。