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視点


 11日から朝日新聞に連載されていた「記憶をさいなむ―元兵士たちはいま」に出てくる元日本兵たちの証言は凄まじい。捕虜自身に穴を掘らせその上に首を出させて日本刀で殺害した話、何の罪もない農夫を石でなぶり殺しにした話、訓練の的にした捕虜を数人の初年兵が銃剣で突き刺した話…。

 連載1回目に「自分が慰安所をやっていた」と1993年に証言した72歳の老人が登場する。彼は、主計下士官時代に中国北部の部隊で「慰安所」管理をしていたことや朝鮮半島まで「慰安婦」集めに行ったことなどを、ある地方紙記者に語った。「これを言わなきゃ死ねない」と思ったからだ。

 日本政府は14日、国連の差別防止・少数者保護小委員会で元「従軍慰安婦」に対して政府として損害賠償の義務があるとしたマクドガル報告を拒否した。相変わらず法的責任を否定、「女性のためのアジア平和国民基金」について紹介するなど、従来の立場に終始している。

 同じ日、京畿道の「ナヌムの家」敷地内に「日本軍慰安婦歴史館」が建てられた。

 「従軍慰安婦の歴史の真実を明らかにすると同時に、後世にとって貴重な歴史体験の場になれば。国民の関心が集まり続けてこそ日本側の公式謝罪と賠償を受けることができ、それがハルモニたちの名誉回復につながる」

 「歴史館」建造に携わった民俗博物館研究員のキ・リャン氏の言葉を、日本政府はどう受け止めるのか。(聖)