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兵庫県朝鮮商工会館が竣工/震災から3年7ヵ月


 兵庫県朝鮮商工会館が神戸市中央区に建設され、8月30日に竣工式が行われた。県商工会は1995年1月の阪神・淡路大震災で、事務所を構えていた朝銀兵庫・三宮支店のビルが全壊。以降、総聯東神戸支部に臨時事務所を開いた後、民間のテナントビルに入居していた。県下の同胞らは震災以降、被災した朝鮮学校、総聯本部や支部の会館、分会事務所などの再建・補修を進め、地域の在日同胞社会を再生させてきた。今回も、李慶鎬建設委員長(県商工会会長)をはじめとする県下の同胞商工人らは、不況が続く中で6億円に上る建設資金を募り、震災から3年7ヵ月ぶりに自前の会館建設を遂げ、復興の歩みをまた一歩、力強く踏み出した。この日は総聯中央の許宗萬責任副議長、商工連合会の梁守政会長、総聯県本部の李文伊委員長、李建設委員長をはじめとする建設委員と商工人、同胞、総聯活動家ら600余人が参加、会館竣工を祝った。

 竣工式では、韓徳銖議長からの祝電が紹介された。

 韓議長は祝電で、震災のような大きな災難に遭い、かつ経済的に苦しい状況が続く中で会館を新築したことは、同胞商工人の愛国心と団結力の強さを改めて示したと指摘。共和国創建50周年を迎える意義深い時に会館建設を成し遂げた商工人と同胞らが、今後も愛国運動で一層飛躍することを願うと述べた。

 許責任副議長が祝賀演説し、新会館は、新しい世代の同胞商工人が1世が築いた愛国愛族の伝統を受け継いで行くうえでの拠点であると同時に、同胞商工人の権益を守る活動の拠点であると指摘。県商工会はこれを機に、権益擁護団体、経済専門団体としての機能を高め、同胞商工人らに尽くしていくよう呼びかけた。

 竣工式では、建設委員会の事業報告が行われ、会館建設に寄与した商工人と同胞らに総聯中央常任委員会から感謝状が伝達された。

 また竣工式に続き、祝賀宴が行われ、県知事などからの祝電が披露された。

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 被災した朝鮮学校10校の再建・補修事業が終わったのは、昨年3月。それからおよそ1年半を経て、県商工会館は建設された。震災発生から数えると、3年7ヵ月以上の月日を要したことになる。

 震災では、少なくない同胞が経済的に窮地に立たされた。そうした状況のもとでも、同胞商工人らは地域の総聯組織や朝鮮学校の再建に奔走、身を切る思いで資金を捻出してきた。

 同胞商工人の権益擁護の拠点である商工会館の必要性は、誰もが認めるところだった。しかしこうした2重、3重の負担を負った状況で、六億円を要する会館建設に関しては、結論を出すまでに繰り返し話し合いが持たれたという。

 その過程を振り返りながら、李建設委員長は語る。

 「学校再建などの事業を終え、商工会館の建設について話し合う中で、将来を見据え、後の世代のためにも建設に踏み切ろうとの方向に意見はまとまった」

 昨年9月27日の建設委員会発足後も、景気、情勢は困難を極めたが、会館は延建坪280余坪、地上5階、地下1階建ての堂々たる姿に再建された。

 会館建設は、支部や分会、朝鮮学校の場合と同じく、1世が築いた同胞社会の財産を新しい世代に伝えようという同胞らの思いが、結実したものと言える。

 ※新会館の住所は神戸市中央区下山手通2丁目4の3、TEL 078−326−5611(代表)。