熱闘3日間/在日本朝鮮人中央体育大会 競技ハイライト
共和国創建50周年記念在日本朝鮮人中央体育大会が2〜4日、都内各所で行われ、一般選手と朝鮮学校の生徒ら4000余人が出場。高級部では大阪朝高が総合優勝、東京朝高が2位、3位は神戸朝高だった。中級部は東大阪が総合優勝。2位は東京朝中、3位は中大阪だった。
バレーボール
滋賀朝中、創部2年で決勝進出
中級部は前評判通り、東大阪が2年ぶり4度目のアベック優勝を手にした。
男子決勝の相手は滋賀初中。今年5月の在日朝鮮中高級学校バレーボール選手権大会で、創部2年目にして初優勝。今大会でも準決勝で昨年2位の和歌山に快勝し、5連勝中の東大阪と滋賀との勝負の行方にがぜん注目が集まった。
滋賀は現在、9人全員がバレー部員だが、昨年4月の創部前まではサッカー部に所属していた。昨年5月の選手権大会は全敗。学生中央体育大会では2勝したものの、上位入賞はならなかった。が、その悔しさをバネに、休日は日本学校との練習試合を組んで経験を積み、休みを返上してバレーに打ち込んだ。
東大阪との決勝では第一セット7−15、第2セット9−15と健闘したものの破れた。
金善弘主将(3年)は、「嫌々プレーしていたバレーが、今ではとても好きになった。負けたことは悔しいが、来年は必ず優勝してほしい」と後輩に夢を託した。
高級部は、神戸が8年振り2度目のアベック優勝に輝いた。
8チームが参加した高級部女子の決勝カードは、昨年と同じ大阪との顔合わせ。白熱したラリープレーを見せたが、大阪の雪辱はならず、神戸が2連覇を達成した。
神戸朝高の柳詠愛主将(3年)は、「実力は同じくらい。精神力と粘り強さで勝てた」と語っていた。(琴)
バスケットボール
群抜く強さ 東京朝高女子
決勝戦は、中級部・高級部の男女すべての部門で東京と大阪が対決。高級部男子大阪、女子東京、中級部は男子東大阪、女子東京朝中が優勝した。
際立っていたのは、5連覇を成し遂げた東京朝高女子の強さだった。予選2試合はダブルスコアを超える大勝で、決勝戦も88−45。安定度は他を寄せ付けないものがあった。しかし、今大会の特徴は初優勝した朝高男子をはじめ大阪勢の奮闘だった。
今年3月、神戸で行われた中・高級学校バスケ選手権で、大阪朝高男子は東京朝高に85−63で完敗した。
それ以降、@声を積極的に発してコミュニケーションを密にする Aルーズボールに最後まで食らい付くという東京対策を徹底。その甲斐あって、今大会では53−50の僅差でものにした。
施鐘泰主将(3年)は「苦しい練習にも皆で一丸となって耐えて来た成果だ」と感無量の様子だった。
一方、逆に追われる立場だったのが東大阪男子。3月の選手権では2位だったが、今大会では優勝候補の筆頭に上げられていた。
しかし初戦から、速攻や山なりのパスなど、個性で押す関東の伏兵・埼玉を相手に大苦戦した。終了間際まで同点で競り合い、30−27で辛勝。東京第4との決勝戦でも後半残り5分に2点差に詰め寄られ、44−42で逃げ切った。
金利京主将(3年)は、「試合を一つずつ勝って行く姿勢を大事にしたことが生きたと思う」と話していた。(賢)
ボクシング
大阪が8年ぶり団体V
大阪が8年ぶりの団体優勝に輝いた。7階級のうち6階級で決勝に進出し、5階級を制覇。バンタムとライトの2階級は同校対決だった。これまで東京と並ぶ双へきとされてきた大阪だが、今大会で一歩抜きんでた形となった。
「大阪時代」の幕開けを予感させたのは、新人選手の活躍だ。
バンタム級決勝をたたかった玄光浩、李冽理の両選手はともに1年生ながら、東京、神戸の選手をそれぞれ破っての決勝進出。結果は玄選手に軍配が上がったが、ともにファイトあふれる好試合を展開した。またライトフライ、フライ級でそれぞれ優勝した李明浩、洪秀哲選手も1年生で、その活躍ぶりには審判長の朴郷丘・ボクシング協会理事長も「今後の成長が楽しみ」と期待をかけていた。
新人の活躍にも増して貫禄を見せつけたのは、選抜大会で優勝した主将の白永鉄選手(フェザー級)だ。やはりインターハイに出場した李鐘賢選手(神戸、3年)との決勝戦はハイレベルな攻防戦となったが、終始手数とパワーで圧倒し判定で勝利。「学生時代最後の公式戦で、8年ぶりの団体優勝を飾れて嬉しい。後輩たちは来年も必ず勝ってくれると思う」と話した。
同校の梁学哲監督は「白永鉄の活躍に刺激を受け、一層練習に励んできた部員たちの努力の結果だ。優勝できたことは嬉しいが、これに満足することなく、2週間後の来年度選抜大会予選をはじめ、春の本戦と夏のインターハイでの優勝を目指して一層気をひき締めたい」と話していた。
なお残り2階級は東京が制し、団体で準優勝した。(道)
一般・記念試合
リレー、オモニバレーなど
大会では、一般部門競技として総聯本部対抗リレー(800メートル)、オモニバレーボール(関東地方)、囲碁(関東地方)、陸上、そしてサッカー、バレーボール、バスケットボールの記念試合が行われた。
中でも、最も観客の注目を集めたのは本部対抗リレー。12チームがエントリーし、大会に参加した学生らも地元の走者に大きな歓声を送った。
リレーで優勝した大阪チーム主将、東大阪中級教員の金賢柱さん(30)は、「とくに優勝は意識していなかったが、よい結果を出せてうれしい。これから試合に臨む生徒らの励みにもなればと思う」と話していた。
なお、各競技の結果はオモニバレーで東京・練馬、囲碁で千葉が優勝、朝鮮大学校と社会人選抜とが対戦した記念試合は、女子バレーボールの引き分けを除き、朝鮮大学校が全勝した。
競技成績(団体)
高級部 | 1位 | 2位 | 3位 | |
シルム | 東京 | 愛知 | ― |
|
陸上 | 男子 | 神戸 | 大阪 | 東京 |
女子 | 大阪 | 東京 | 神戸 | |
サッカー | 大阪 | 京都 | 東京 | |
バレー ボール |
男子 | 神戸 | 山口 | 東京 |
女子 | 神戸 | 大阪 | 京都 | |
バスケットボール | 男子 | 大阪 | 東京 | 九州 |
女子 | 東京 | 大阪 | 神戸 | |
卓球 | 男子 | 大阪 | 京都 | ― |
女子 | 大阪 | 京都 | 東京 | |
野球 | 広島 | 神奈川 | 大阪 | |
テニス | 東京 | 京都 | 東北 | |
ラグビー | 大阪 | 東京 | 九州 | |
ボクシング | 大阪 | 東京 | 神戸 | |
体操 | 男子 | 東京 | 東北 | ― |
女子 | 東京 | 愛知 | ― |
|
柔道 | 京都 | 大阪 | 東京 | |
空手 | 大阪 | 神奈川 | 広島 |
中級部 | 1位 | 2位 | 3位 | |
シルム | 東京 | 南大阪 | 栃木 | |
陸上 | 男子 | 尼崎 | 川崎 | 東大阪 |
女子 | 東大阪 | 尼崎 | 北海道 | |
サッカー | 中大阪 | 東大阪 | 京都 | |
バレー ボール |
男子 | 東大阪 | 滋賀 | 和歌山 |
女子 | 東大阪 | 中大阪 | 西播 | |
バスケットボール | 男子 | 東大阪 | 東京第4 | 東神戸 |
女子 | 東京 | 東大阪 | 京都 | |
卓球 | 男子 | 東大阪 | 京都 | 東京 |
女子 | 東大阪 | 東京第7 | 東京 | |
体操 | 男子 | 神奈川 | 東京 | 東北 |
女子 | 東北 | 福島 | 東大阪 | |
柔道 | 北大阪 | 東大阪 | 京都 |