新潟朝鮮初中級学校の体育館の全面改築、校舎と寄宿舎の改修
新潟朝鮮初中級学校(新潟市)の体育館の全面改築、校舎と寄宿舎の改修工事が完了し、20日、装いを新たにした同校体育館で共和国創建50周年と同校創立30周年を記念する新潟県大会が行われた。総聯中央の権淳徽副議長、教育会中央の李福南会長、新潟県本部の梁天錫委員長と李達植県商工会長、同校の李辰和校長、朱敏昌建設委員長(同校教育会会長)、建設委員らと商工人、同胞、卒業生と生徒ら500余人が参加した。また「朝鮮学校を支援する新潟県民の会」の多賀秀敏代表(早稲田大学教授)をはじめとする日本人士らも招かれ完工の喜びを分かち合った。
大会では権副議長があいさつし、共和国創建50周年を迎えた意義深い時期に、同校創立30周年を迎えるとともに、体育館と校舎の改築を立派に成し遂げたことは大変喜ばしいことだと述べた。また、改築された体育館と校舎は、次世代のために愛国事業に励んできた同胞らの団結力の強さを示す象徴となるだろうと指摘した。
梁委員長の慶祝報告に続き、朱委員長が事業報告を行い、建設事業に寄与した商工人と同胞らに総聯中央常任委員会からの感謝状が伝達された。
大会2部では、同胞と生徒らによる同校創立30周年記念公演「輝かしい我らの30年」が披露された。
続いて行われた祝賀宴では、「県民の会」の多賀代表が祝辞を述べた後、北関東朝鮮歌舞団、日本市民らによる公演が催された。
新潟県本部と同校では、学校創立30周年記念行事として3年前から、老朽化した学校施設の補修改築を計画。昨年7月には教育会理事、オモニ会役員、卒業生代表らによる建設委員会も発足し、準備を進めてきた。しかし、体育館改築のための県からの助成金も支給寸前に取り止めになるなど、いつになく同胞を取り巻く情勢は厳しかった。
建設委員らはこうした状況のもとでも、1世が築き上げた民族教育の拠点である朝鮮学校を発展させようと、1億2000万円の予算を確保するために奔走した。
卒業生を対象に積み立て口座を開き、同胞宅を訪ねて回り、店や家庭にペットボトル貯金箱を置いてもらうなどして資金を捻出する一方、日本人を対象に公開授業を行うなど、地域の市民らとの交流にも積極的に取り組んだ。
こうして朝鮮学校の存在をアピールし、民族教育に対する理解と協力を求める運動を行ってきた結果、「県民の会」をはじめとする15の市民団体から、約2600万円の寄付金が寄せられた。
「県民の会」の多賀代表は「記念公演を見ながら、朝鮮学校の民族教育は新潟の宝だという思いを新たにした。物質的な豊かさだけを見て、日本が成熟社会に入ったという人もいるが、差別是正や、人権保障などで前進がなければ単なる腐敗した社会になってしまう。こうした社会の『負』の部分を気づかせてくれる朝鮮学校は、日本社会の腐敗を防ぐ柱となってくれるだろう」と話していた。