朝鮮反核平和委員会の告発状(要旨)
朝鮮反核平和委員会は7日、米国の朝米基本合意文(ジュネーブ合意)違反の真相と、それに伴い朝鮮半島の平和と安全が脅かされ共和国が社会主義経済建設で大きな支障を受けている事実を明らかにした告発状を発表した。米国が最近、ありもしない共和国の「地下核施設疑惑」について騒ぎ共和国がジュネーブ合意に違反しているかのように主張し、これを口実に共和国に対する軍事的威嚇を強化していることと関連して発表された告発状の要旨は次のとおり。(朝鮮通信、中見出しは編集部)
明白な合意違反
朝米はジュネーブで朝鮮半島の核問題の全面解決に関する会談を行い、1994年10月21日に基本合意文に署名した。
双方はジュネーブ合意と呼ばれる朝米基本合意文で、核問題解決のための行動措置と朝米関係で提起される原則的問題などについて明らかにした。
ジュネーブ合意から4年が過ぎたが、米国は朝米間で合意された事項を何一つと履行しておらず、この事実はジュネーブ合意の違反者が米国であることを明白に示している。
合意文によると、米国が責任をもって2003年までに完成させ共和国に提供するとした2基の軽水炉は、提供期限の半分が過ぎようとしているが、土台すらまともに築かれておらず、本工事にも着手できず、いつ完成するのかも分からない状況にある。米国は重油提供の義務(11月から10月までに毎年50万トン)もまともに遂行せず、納入が遅れている。
また、貿易と投資の障壁を緩和することになっているが、何の根拠もなく共和国を「テロ支援国」名簿の中に引き続き含みながら、事実上、経済制裁を一層強化している。
経済的損失補償を
ジュネーブ合意がまともに履行されないのは、米国とその追従勢力が対朝鮮圧殺戦略、反共和国対決政策をとっているからだ。
米国がジュネーブ合意に署名したのは、真に核拡散を憂慮してとか、朝米関係改善と朝鮮半島の平和と安全を願ったからではなかった。
それは共和国を力で圧殺しようとしたが通じなかったので、軽水炉を餌に時間を稼いでわれわれの自立的核原子力エネルギー工業の発展を阻止し、経済と軍事の潜在力を弱めて共和国を「考査」、「崩壊」させようとする考えから出発したものだ。
米国のジュネーブ合意履行が遅れているため、共和国の自立的核原子力エネルギー工業の発展面で4年間の空白が生じ、エネルギー事情が厳しくなり、社会主義計画経済全般にも影響を受けた。
これによる直接的な損失だけでも数百億ドルに上る。実際、共和国の自立的核原子力エネルギー工業の建設がそのまま推進されていたならば、今頃はそれが完工してエネルギー問題で緊張するようなこともなく、朝鮮式社会主義経済で大きな成果を収めていただろう。
結局、ジュネーブ合意を誠実に履行した代価として共和国が得たものは、経済的損失だけである。協約違反で相手に損害を与えた場合、補償したり賠償するのが国際法規や慣例上の常識である。
米国には共和国に与えた経済的損失を補償する義務と責任があり、いかなる形態でもその代価を必ず支払うべきだ。
こんにち、朝鮮人民が経済的な厳しさを負っている根本原因は、米国の誤った対朝鮮政策にある。
南・日にも責任
米国が追従勢力とともに繰り広げている「地下核施設疑惑」騒動と軍事的威嚇策動は、朝米基本合意文に対する放棄宣言であり、共和国に対する宣戦布告、挑発である。米国が今後もジュネーブ合意に対して不誠実に対応し、これを履行しないならば、われわれも旧態依然とした損害を被ってまでそれに頼る考えはない。共和国は放棄宣言に対しても、宣戦布告に対しても、挑発に対しても準備が整っている。万一、米国が最後までジュネーブ合意を踏みにじり、軍事的対決を強要するなら、われわれはこれに立ち向かうだろう。
米国と南朝鮮当局、日本反動勢力はジュネーブ合意を蹂躙した責任から決して逃れられず、そこから生じる結果について正しく見るべきだ。