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1999年―展望―4者会談


進展のカギは対北敵視政策の転換/米軍撤収、朝米平和協定が不可欠

 第4回4者会談が19〜22日、ジュネーブで開かれる。議長国は輪番性で、今回は共和国が務める。会談の展望についてみた。

 

朝鮮半島の恒久的平和を

 共和国、米国、南朝鮮、中国が参加する4者会談は、これまで3回(第1回=97年12月9〜10日、第2回=98年3月16〜21日、第3回=同年10月21〜24日)にわたってジュネーブで行われてきた。

 同会談は米国と南朝鮮が96年4月16日、「朝鮮半島の恒久的平和協定を実現する過程を始めるもの」として提案したもの。共和国側は会談目的が「朝鮮半島で対話と協商を通じて停戦状態を終息させ恒久的な平和の枠組みを設けることにある」との米国側の説明(97年9月5日付労働新聞論説)に留意し、予備会談を経て本会談に臨んだ。

 1、2回目の本会談では、議題を明確にすることを主張する共和国と、分科委の設置を先に求める米・南朝鮮との間で意見の相違を埋めることができず、こう着状態に陥った。第3回会談では2つの分科委設置で合意を見たが、議題問題で最終的な合意を見ることができず、そのため会談終了後の共同発表文でも、第4回本会談では「朝鮮半島の平和体制構築と緊張緩和を論議する」と表現するに止まった。

 共和国が議題の明確化にこだわっているのは、会談目的に沿って朝鮮半島で真の平和を実現するうえで障害となっている根源を客観的に正しく追求し、それを除去するための対策を講じようとするためだ。

 第3回本会談で共和国の金桂寛代表は議題に、@南朝鮮駐屯米軍の撤収A朝米間での平和協定締結B朝鮮半島への軍備搬入禁止C(米・南朝鮮)合同軍事演習の中止――を定めることを求めた。4者会談で朝鮮半島の平和と安全を実質的に保障できる法的、制度的装置は、「米国の軍事的干渉を終わらせ、朝米間で平和協定を締結する」(金桂寛代表)ことにある。それは米国が停戦協定の直接的当事者であり、南に軍を駐屯させ政治・軍事・安保問題に対する実権を握っているからだ。

 

力の政策捨てぬ米国

 4者会談で大きな進展が見られないのは、米国が対北敵視政策を継続し朝米間の敵対関係が依然として解消されていないことに起因する。

 米国は朝米基本合意文(94年10月21日)の序文で、双方は互いに核威嚇を行わず、相手の制度と自主権を尊重して内政干渉をしないと明らかにした93年6月11日付朝米共同声明の諸原則と、94年8月12日付朝米合意声明を堅持することを宣言した。

 にもかかわらず米国は、南朝鮮に地対空ミサイル、パトリオット、AH−64攻撃ヘリ・アパッチなど最新鋭の軍備を配備し、大規模な米・南朝鮮合同軍事演習を繰り広げている。昨年10月末から11月初にかけても、米・南合同軍事演習と98フォール・イーグル、米・日合同統合訓練キーン・ソード99が朝鮮半島周辺海域で実施された。これらはいずれも北を仮想敵にした北侵戦争に向けた合同演習だ。昨年末には米軍部が第2の朝鮮侵略戦争計画である「5027作戦計画」を完成させたことまで公言した。

 さらに米国は政治・経済の正常化のためのプロセスを明記した朝米基本合意文をまともに履行せず、遅延戦術を取っている。

 こういった事実は、米国が言葉では4者会談や「朝鮮半島の平和」について唱えながら、一方では力の政策で共和国を圧殺しようとしていることを明白に示している。

 4者会談の進展如何は、米国が対北敵視政策を転換し朝米関係を改善することと緊密につながってくると思われる。

 朝米は第4回4者会談をはさんで16、17日と23、24日、ジュネーブで地下施設問題と関連して3回目の協議を開く。これまでも予備会談と本会談を前後して朝米協議がひんぱんに行われたが、そこではミサイル、連絡事務所設置、米兵遺骨共同発掘、食糧支援など幅広い問題が討議され、関係を前進させる契機となった。

 米国の言う地下施設(平安北道金倉里)の訪問について外務省スポークスマンは11日、共和国を中傷、冒とくした補償として3億ドルを払うか、これに見合う経済的恩恵があるならば、特別に1度だけ訪問を許すと主張している。共和国の主張に対して米国が前向きに対応すれば、4者会談の進展にも好影響を与えると思われる。(基)