転換の年――99年共同社説を読む(中)/経済建設
生産正常化、生活の安定/電力と石炭は「生命線」
食糧解決へ/じゃがいも革命、2毛作、品質改良、土地整備
「経済建設は強盛大国建設のための最も重要な課題」。共同社説がこう指摘するように、今年共和国が最も力を入れているのは経済建設だ。
@各部門で生産を正常化しA経済全般をしっかり軌道に乗せB人民生活を安定させ向上させる――ことを基本課題に掲げ、そのために各分野で提起される具体的課題を示した。
農業構造改善を
まず、一番のネックである農業=食糧問題。@じゃがいも生産で革命を起こし適地適作、適期適作の原則で農業構造改善A2毛作の推進B品種改良C土地整備事業の展開――が生産向上のための課題だ。 中でも強調されているのがじゃがいも。労働新聞3日付は「朝鮮人民は近い将来、米とともにじゃがいもを主食にする」ようになるとして、「じゃがいも革命が勝利すれば食糧問題が解決される」と指摘した。
昨年10月1日に金正日総書記が両江道大紅湍郡を訪れた際、じゃがいもなどの多収獲品種を多く植えることで、食糧問題を解決するよう指示したことからこの問題がクローズアップされた。両江道はもともとじゃがいもの主要産地だが、大紅湍郡では昨年、品種改良を行い生産高を1ヘクタール=20トンから50〜60トンへと飛躍的に伸ばした。
咸鏡南・北道、慈江道など北部高山地帯でもじゃがいもの生産が拡大している。稲作とトウモロコシ植えに適さない地域でじゃがいもを植えることで、農業の生産構造を改善しようというわけだ。
2毛作でもじゃがいもが重要な位置を占める。黄海北道鳳山郡では数年前から田圃での2毛作を推進しているが、今年は前作として小麦、大麦とともにじゃがいもを植える計画だ。じゃがいもは生育期間が短く、暖地では2〜3月に植えて6月頃収穫する春作、8〜9月に植えて10〜12月に収穫する秋作ができ、水田裏作や畑作の輪作に適している。
化学肥料の生産と輸入が滞っている中で、微生物肥料の役割は引き続き重要だ。現在120万ヘクタールの耕地面積の7割に上る85万ヘクタールに適用されている。一方、肥料が少なくてすむ品種、2毛作に適した生育期間の短い品種の研究・改良も進んでいる。
内閣が統一指導
基幹工業の中心は電力と石炭。この2つはエネルギー問題と直結しており、「経済の生命線」(共同社説)だ。
共同社説では建設中の大規模水力発電所の操業を早める課題を示したが、これは江原道の安辺青年発電所(第2段階)、平安北道の泰川発電所のこと。昨年全国で約5000建てられた中小型発電所の建設も引き続き進められる。
石炭問題は火力発電所の稼働を左右するが、95、96年の水害で浸水した主要炭鉱の水抜きが順調に進み展望が見えてきた。
食糧とエネルギー問題が解決すれば、経済全般の展望が開ける。
共同社説は「新しい国家体系の要求に即して経済に対する中央集権的な統一的指導をより強化する」ことをうたった。経済司令部と称される内閣が経済問題を責任持って統率していくことを意味する。
経済指導機関が一本化されることで、これまでより指導が末端にまで正確に行き渡るようになる。(聖)