23〜24日に朝鮮学校教員の中央教育研究大会/東京中高で
各地の朝鮮学校教員による第15回中央教育研究大会が23〜24日、東京・北区の東京朝鮮中高級学校で開かれる。
1993学年度から全面的に改定された新教育綱領に沿って進めてきた民族教育の研究成果を集大成し、広く一般化するためのもの。朝鮮学校教員の教研大会が1ヵ所で統一的に開かれるのは10年ぶり。この間は東西2ブロックなどで分散開催されてきた。
今回の教研大会では、昨年11月末に全国11ヵ所で開かれた地方別教研集会、12月15〜16日に東京で開かれた中央教研委員・助言者会議を経て選出された125編の研究レポートが、幼稚班、初・中・高の各科目など17の分科別に発表される。研究発表に先立ち、各分科別に模範授業や研究授業、専門家らによる講演なども行なわれる。
初級部1学年分科では、各朝鮮学校での障害を持つ生徒の実態に関するアンケート結果が初めて発表されるなど、障害児教育の問題が初めて取り扱われる予定だ。
優秀な研究レポートは、閉会式で表彰される。
2003年度から新教科書
昨年12月15〜16日に開かれた教研委員・助言者会議の全体会議で総聯中央の朴点石教育局長は、2002年から始まる日本学校の週5日制と新学習指導要領の実施と関連し、主体的な立場から民族教育の内容と方法を研究していく上での対策的な問題について述べた。
それによると、完全週5日制については、同胞家庭および社会の土日の実態を考慮したうえで検討する。また朝鮮学校の教科内容・時間は日本学校に比べて多く、週5日制導入のためには抜本的対策が必要になるので、この点も考慮しながら検討する。さらに、「国際理解、情報、環境、福祉健康などの課題、児童・生徒の興味に基づく課題、地域や学校の特色に応じた課題について学習活動を行う」としている「総合的な学習の時間」の導入については、あげられた内容のうち朝鮮学校で不足している情報教育に関する研究を進める。
こうした点を踏まえ、2003年度を目指して教科書の改編を進める。
以上を進めるための具体的な対策としては@教育内容と課程案を審議する審議委員会を5月に発足A現行教科書に対する分析調査B朝鮮学校の教育内容と課程案に対する意見を広く聴取C教科書編纂委員会を新たに設置し、99学年度から活動――としている。
【注】 文部省は昨年11月、2002年度から実施される完全学校週5日制の下での学習内容、指導方法を示した小中学校の学習指導要領案を公表した。「ゆとりの中で、自ら学び考える力を育成する」ことを柱に◇既存教科の枠を超えた「総合的な学習の時間」を新設する◇各教科の内容を現在の7割程度に厳選し基礎学力の定着を図る――などが特徴となっている。