転換の年――99年共同社説を読む(下)/民族大団結
和合し団結すれば統一/南は米国などの外勢依存から脱却を
民間交流は拡大
「全民族が和合し団結すれば、それがすなわち祖国統一である」
共同社説のこの指摘は興味深い。思想、政見、体制の差を越えて民族同士手をつなげば、統一が十分に可能なことを意味しているからだ。
金正日総書記は昨年4月18日、南北連席会議五十周年研究討論会あてに書簡を送り、「北と南の和合と民族の大団結をぬきにしては祖国の自主的平和統一について考えることはできない」として、「全民族の大団結はすなわち祖国統一である」と強調した。総書記は、@民族自主の原則を堅持A愛国愛族の旗印のもとに団結B南北関係を改善C外勢の支配と干渉に反対D全民族が接触、対話して連帯連合を強化――という民族大団結5大方針を提示。この時、総書記が明らかにした方針が共同社説にそのまま反映されている。
昨年、鄭周永・現代グループ名誉会長の3回の訪北など民間レベルでの南北交流は飛躍的に拡大した。
1回目の訪北時に合意した金剛山観光事業は順調に進み、昨年12月30日現在でツアー参加者は1万人を突破した。「民間交流の模範」である同観光は、「民族の和解と団結、祖国統一に貢献する事業になる」(最高人民会議常任委員会の金永南委員長)。
南当局の発表によれば、これ以外でも昨年の訪北者数は3231人。1989年から97年までの累計2408人を上回るものだ。
鄭会長が2回目に訪北した際には、金正日国防委委員長が宿舎を訪問、石油開発など経済交流について話し合った。今後、民間交流はさらに広がるだろう。
反統一制度撤廃
一方で、共同社説は「南朝鮮で『政権』が交替したが、北南関係で変わったものはない」と批判、統一が実現されるためには「南朝鮮が自主化されなければならない」と強調した。自主化とは米国など外勢に依存する道ではなく、同族である北と手をつなぐ道を選択することを意味する。
共同社説で指摘しているのは、@「国家保安法」撤廃A統一部解体B「安企部(国家安全企画部)」解体――の3つ。昨年の撤廃・解体対象は保安法、安企部、コンクリート障壁だったが、今年はこれに変わり統一部が加わった。
昨年8月に訪北し板門店での統一大祝典に参加した文奎鉉神父や女子大生の黄嬋さんは保安法を適用され拘束された。統一部は様々な口実で南北交流を妨害した。昨年5月、牛500頭を連れて訪北しようとした鄭名誉会長に対し、統一部長官の康仁徳は「口蹄疫」をうんぬんし妨害を試みた。最近も、現代グループの金剛山観光開発事業計画の承認を遅らせ、難関を作り出した。安企部は「国家情報院」に改称されるだけで、維持される方針だ。
ただ、昨年は「南朝鮮当局者は政策を転換」し「統一への意志を示すべきだ」と、これらの履行を直接当局に求めていた。が、今年は「南朝鮮人民は、同族間の接触と対話、統一を阻む『国家保安法』と『統一部』、『安企部』などあらゆる制度的装置を撤廃、解体するたたかいを決着がつくまで行わなければならない」と指摘している。
南で自主化の動きが進めば、「祖国統一をめざすたたかいで画期的転換をもたらすべき極めて重要な年」(共同社説)になるだろう。(聖)