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「経済司令部」としての内閣


じゃがいも革命など当面6項目提示/幹部も現場に、増産に全力

 今年の共同社説は金正日総書記の掲げる強盛大国建設にとって、「経済建設がもっとも重要な課題」であるとし、「全部門の生産を正常化し、国の経済全般をそれぞれの軌道にのせ、人民生活を安定・向上させる」ことの必要性を強調。同時に「新しい国家機構体系の要求に即して経済に対する中央集権的な統一的指導をさらに強化」することも明らかにした。ここで注目されるのが、経済司令部とされる内閣の役割である。内閣は昨年9月5日の最高人民会議第10期第1回会議で修正された憲法で、「最高主権機関の行政的執行機関」だった政務院に代わるものとして「全般的国家管理機関」としての任務と権限が強化された。(基)

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人民生活の安定、向上

 経済建設と関連して内閣は昨年10月、金日成主席が最高人民会議第9期第1回会議(90年4月)で行った施政演説「わが国社会主義の優位性をさらに高く発揚させよう」(昨年の最高人民会議で全参加者が聴取)で提示された経済課題を貫徹するための「決定」を採択し、金正日総書記の誕生60周年を迎える2002年までに貫徹することを全人民に呼びかけている。それを具体化した当面の目標が7日付労働新聞に掲載された。

 労働新聞は「経済作戦と指揮を革命的に」と題する記事を掲載し、「国の経済司令部である内閣の事業において重要なことは、現実的条件に沿った党の経済政策を徹底的に貫徹する、戦闘作戦を正しく立て事業を革命的かつ効率的に展開することだ」と指摘しながら、経済各部門の当面の目標を大きく立てたと強調した。

 内閣が経済司令部というのは、総書記が指示、権限を与えたものだ。昨年の最高人民会議で、政務院総理代理から内閣総理に任命された洪成南氏は、朝鮮労働党理論誌「勤労者」96年7月号に寄稿した論文の中で、総書記が「政務院の事業方向を明らかにし、政務院が経済司令部として行使できるすべての権限を与えた」と述べている。

 こうして昨年の最高人民会議で政務院に代わり新たに「最高主権の行政的執行機関」、「全般的国家管理機関」として「内閣」が設置され、その役割が法制化されたのである。

 内閣を代表して最高人民会議で宣誓した洪総理は、「内閣はとくに経済事業に全責任を持ち、全般的経済事業に対する作戦と統一的指揮をしっかりと行って国の経済を決定的にもり立て人民生活を積極的に向上させることによって党と人民の期待に必ず応える」と述べた。これは内閣が委員会、省、内閣直属機関、地方人民委員会などの経済機関に対する指導を強化することで、経済司令部としての責任と役割を高めることを意味する。

 修正憲法では、「内閣総理は内閣事業を組織し指導する」と実質的に指導力が発揮できるようにされた。また内閣の各部署の統廃合、各省責任者の若返り人事など、活性化がはかられている。

 労働新聞7日付によると、現在、内閣メンバーは現場に出向き、問題解決の正しい方途を示しながら、増産に力を注いでいる。

 こうして指導の一本化と末端までの指導強化で、各分野では多くの成果が生み出されているのだ。

 

2000年を意義深く

 今、内閣決定として採択された当面の目標は、「数年のうちに一時的難関に直面した経済を回復し、全部門ですでに到達した生産水準を突破する」(労働新聞7日付)ことだ。

 総書記は昨年、防衛のための朝鮮人民軍への精力的な指導を行う一方、慈江道、両江道、咸鏡北道、江原道など経済部門に対する現地指導と、様々な機会に経済課題を遂行する課題と方途を明らかにしている。今年も年初から科学院や泰川水力発電総合企業所を訪れ、科学・経済部門を強化することを強調した。

 当面の目標は、@じゃがいも農業革命で人民の食糧問題を決定的に解決しA中小型発電所と同時に大規模水力発電所(安辺青年発電所、泰川水力発電総合企業所)を建設するB電気、石炭、鉄道輸送問題を解決するC茂山鉱山連合企業所を強化し、金策製鉄連合企業所などの製鉄、鉄鋼所の鉄鋼材生産を高めるD煕川工作機械総合工場、勝利自動車総合工場の生産において転換を起こすE地方の予備を積極的に動員し道所在地の住宅の電気暖房化を実現する――ことである。

 このような部門での目標を達成することで、共和国ではまず「2000年に迎える党創建55周年を強盛大国建設の誇らしい成果として意義深く」(労働新聞7日付)迎え、21世紀での強盛大国作りを目指しているのだ。