第4回4者会談、ジュネーブで開催
分科委の運営方針決める/実質論議されず、次回は4月中旬
共和国、米国、南朝鮮、中国の第4回4者会談が19〜22日、ジュネーブで開催された。初日の全体会合に続いて20、21の2日間、「朝鮮半島の平和体制構築」「緊張緩和」に関する初の両分科委員会が行われ、最終日には分科委の運営方針の決定と、次回は4月中旬に開くことを盛り込んだ共同発表が行われた。運営方針は、(1)決定は全会一致とする (2)分科委で合意できない場合は全体会合や首席代表会合で合意を目指す (3)参加者は自分の意見を自由に提議できる――などとなっている。朝鮮半島の「恒久的平和協定を実現する過程を始める」という会談趣旨に沿って、共和国は「米軍撤退」、「朝米平和協定締結」など根本的な問題の議論を優先すべきだと主張したが、米・南朝鮮が反対したため、実質的な論議に入ることはできなかった。(基)
法的、制度的保障を
現行の朝鮮停戦体制を平和体制に転換させることを目的とした「平和体制構築」分科委で共和国は、朝米平和協定締結を主張した。これに対し南朝鮮は「南北が協定の当事者にならなければならない」(朝日新聞21日付)と南北平和協定に固執した。
「緊張緩和」分科委では、共和国が米軍撤退、朝米平和協定締結など根本的な問題の論議を優先すべきだと主張したのに対し、南朝鮮は「南北軍事当局間のホットライン設置や軍当局者の相互訪問、主要軍事訓練の事前通報」(同)など、南北対話を求めた。
共和国の主張は、朝鮮半島の平和と安全を実質的に保障できる法的、制度的装置を構築しようとするものだ。米国が朝鮮停戦協定(53年7月)の直接的な当事者であり、南に軍を駐屯させ政治・軍事・安保問題に対する実権を握っているからだ。
南の要求は、南北対話を4者会談と絡めて進めようとするもので、これは会談の目的とは合わない。南北間にはすでに、和解と不可侵および協力・交流に関する合意書が採択(91年12月)されており、不可侵宣言を履行するための南北軍事共同委員会も発足している。つまり同委が稼働すれば、南北間の軍事的問題は解決するシステムになっている。残るは朝米間で平和協定を締結することだけだ。
米軍撤退については、朝鮮停戦協定で「朝鮮からすべての外国軍を撤収させる問題」が協議されることになっているが、現在、米軍以外はすべて撤収している。そのため朝鮮半島の平和と緊張緩和のためには米軍の撤収は避けて通れない問題となっている。
「緊張緩和」分科委で共和国は、南の安企部による駐独共和国利益代表部書記官夫婦拉致事件について言及。朝鮮半島の緊張を高め、信頼を損なわせる重大な事件が米国と南朝鮮によって起こされたと強く抗議した。
この問題に関しては、祖国平和統一委員会が19日の声明で、南朝鮮当局と米国が朝鮮半島情勢の緩和と南北関係の改善を願うなら、書記官夫婦を速やかに無条件原状復帰させるべきだと主張している。
4者会談は97年12月に第1回会談が、第2回会談が98年3月、第3回会談が同年10月に開催された。今回は輪番制で共和国が議長役を務めた。
カギを握る朝米協議
一方、4者会談をはさんで朝米協議も行われた。これまでも4者会談を前後して朝米協議が頻繁に行われ、両国の関係を前進させる契機となった。共和国はこれまで、「米国との協議がうまくいけば、4者会談も順調にいく」(李根次席代表)とし、朝米協議が今後の行方のカギを握っているとの認識を示している。4者会談の進展如何は結局、対北敵視政策の転換など米国の出方次第と言える。