第15回総聯各級学校教員の教育研究大会
第15回総聯各級学校教員の教育研究大会が23〜24日、東京・北区の東京朝鮮文化会館および東京朝鮮中高級学校で開かれ、総聯中央の権淳徽副議長、朴点石教育局長をはじめ、全国各地から集まった幼稚班、初、中、高の各級学校教員と関係者ら850余人が参加した。朝鮮学校教員の教研大会が全国的規模で開かれるのは90年の13回大会以来9年ぶり。時代のニーズに合わせて93年から大幅にリニューアルされたカリキュラムのもと、各教育現場での実践を通じて深めてきた研究成果を集大成し、広く一般化するのが目的。教科別の各分科ごとに、子供たちの主体性と民族性を養うための理論と実践、子供たちを主体にして創造力と思考力を育む授業の方法論などに関する多彩な研究成果が発表され、活発な意見交換が行われた。(関連記事)
初日の全体会議では総聯中央の朴点石教育局長が、民族教育の本分である子供たちの民族性を養う問題について講演し、とくに母国語教育の重要性について強調した。また東大阪朝鮮中級学校の秦勝元教員が、初・中・高の12年間の教育課程を通じたウリマル教育を強化することについて討論。東京朝鮮中高級学校の慎吉雄教員が、生徒と父母のニーズを反映して九八年度から同校で体育科と情報処理科を新設した経験について討論した。
全体会議に続いて2日目の午前中まで17の分科会が行われ、昨年11月末に開かれた各地方別教研大会で提出・発表された796編のレポートのうち、厳選された125編のレポートが発表された。このうち6分科では実際に生徒、園児とともに行う模範授業もあった。参加した教員らを生徒役に見立てて進める模擬授業は、ほとんどすべての分科で行われた。
2日目の全体会議では、総聯中央の権淳徽副議長が4人の校長に「共和国功勲教員」称号を授与。ほかにも各種模範学校、「模範教員集団」、「模範教授者」の称号が授与された。また今大会で優秀なレポートを発表した18人の教員には「論文賞」が授与された。
全体会議でまとめを行った朴教育局長は、◇児童・生徒の主体性と民族性を養い立派な朝鮮人に育てる◇1人1人の素質と可能性を伸ばす◇父母らのニーズに応える――などの民族教育の課題について改めて確認。問題の山積する日本の学校教育現場を念頭に、教科教育だけでなく、今後は学級運営や生活指導などの面でも民族教育の特長を理論化できるような研究を深めていこうと述べた。