春夏秋冬
「アーヤー、オーヨー、カーギャー、コーギョー」小さい時、夕食準備をした後、成人学校で朝鮮語を学び、夜遅くまで家で復習をしていたオモニの姿をフッと思い出した。もう40数年も前だ。オモニは朝鮮で生まれたが5、6歳のころ両親とともに渡日し、日本の小学校を卒業した。朝鮮語はしゃべれたが、読み書きはできなかった
▼子育てに一段落してから成人学校に通い、初めて朝鮮語を学んだ。その時、朝鮮新報は貴重な教材でもあった。オモニは見出しの大きな字を一つ一つ拾いながら読んでいた。朝鮮新報は自然と生活の中に溶け込み、身近な存在だったように思う
▼それから40数年。世代交代が進み、生活環境も大きく変わった。本紙8日号の「データで見る同胞社会」を見ると、まさに隔世の感がある。高齢化と少子化。とくに同胞同士の民族結婚は1984年に50%を割り、90年には30%を切った。結婚は朝鮮人同士するのが当然と思われていた世代とは、大きく違い民族意識の変化が著しい
▼この同胞世代の変化に対処しながら朝鮮新報が自己の使命と任務を十分に果たしてきたとは言えないとの自責の念がある。4日号から新しく生まれ変わり、これまで3回、発行した。先日、ある支部で新報がどう変わったのか説明する機会があった。幸い、これなら離れていた読者を再び呼び戻すことが出来るだろうとの感想もあった
▼まだ再スタートしたばかり。問題は今後だ。新しい世代をはじめ読者層をさらに広める課題が提起されている。同胞と歩む姿勢を常に忘れず、自らの使命を果たして行きたい。(喜)