春夏秋冬


 「昔は、災害は忘れたころにやって来ると言われたが、今は、災害は忘れる前にやって来ると言われています」。さる17日、地域の自治会の防災訓練に参加した時、地元の消防署長の「訓話」内容だ

 ▼確かにそう言える。6000人以上が死亡した阪神大震災があったのは1995年1月。それから五年。あの悪夢のような記憶が消える前に、アフガニスタン、パプア・ニューギニア、トルコ、ギリシア、台湾などで大地震が起こった。防災訓練当日の朝刊には、米国のカリフォルニア州でマグニチュード7の地震があったと報道された

 ▼防災訓練は朝9時30分のサイレンを合図に開始、まず決められた場所に集合。広報・防火・救護・避難誘導の各班に分かれる。そこで消防隊員の指導で消火器を使った消火訓練や三角巾を使った応急救護の訓練をする

 ▼普通火災と油・電気火災に使える粉末消火器の放射時間がたった16秒しかないことを初めて知った。だから火災が起こると初期消火が大事で、火が天井までに広がってしまうと逃げるしかないという。次に避難誘導訓練で、地区別の予定避難コースに基づいて避難集合地である近くの小学校に皆で移動する。自治会会長のあいさつ、教護物資(乾パン)と記念品の配布があり解散した

 ▼災害が起こった時、自分と家族の生命・安全は自ら守るのが基本だ。しかし大災害の場合、通信・交通はマヒし遮断される。行政の援助が届くまでは地域の住民が協力し合って行くしかない

 ▼防災訓練に参加して、地域の日本住民と日常的なコミュニケーションをとることの重要性を改めて感じた。(喜)