日本で見られる朝鮮中央TV


毎日午後4時30分〜11時30分/周波数3424・5メガヘルツ

 人工衛星を使って、テレビや高質の音楽放送を行う放送システムの衛星放送。世界各国のテレビ番組などを、幅広く視聴することができる。日本では1989年から本格的な放送が始まった。衛星放送全盛の現代、朝鮮中央テレビも10月10日から開始した。アジアとヨーロッパ、アフリカの一部の地域で視聴できる。

 

□立地条件■

障害物ない西方の高所に設置

 朝鮮中央テレビの番組(周波数3424・5メガヘルツ、放映時間午後4時30分〜11時30分)は、通信部門を手掛けるタイ・シナワット社の通信衛星「タイコム3」を通じて放送されている。

 この衛星は、東経78.5度の位置に静止している。他の通信・放送衛星に比べて低い。そのため、高度に静止している衛星に比べて、東西方向の地域は受信しにくい。それは受信角度が低くなり、アンテナを水平線の方向に下げなければならなくなり、すると高層ビルなど障害物が増えるからだ。

 日本はその典型的な地域である。アジアの最東方に位置することから、水平線を基準にほぼ直角になるまでアンテナを下げなければならない。そのため、衛星のある西方に、ビルなどの高い建物があると、受信は不可能になる。

 だからといって、高い所にアンテナを設置すれば解決する問題ではない。「タイコム3」は、電波が弱いため、衛星と受信地の間に電話やテレビなどの強い電波が流れていると、映像と音声がシャットアウトされてしまう。

 日本では、国内はもとより海外でも受信に関するサービスを手掛けている株式会社「ハマーズ」(神奈川県横浜市)が、本牧の受信基地で朝鮮中央テレビの放送を受信している。

 仲田敦郎代表取締役は、「渋谷、新宿近郊、お台場近辺など都内数ヵ所で査定を行ったが、高層ビルが立ち並び、あらゆる電波が流れている都内での受信はむずかしいと判断した。しかし都内以外では、条件さえ整えば、受信が可能な地域もあるかもしれない。これだけは査定を行ってみなければわからない」と語る。

 大型アンテナを扱っている専門店などで、査定をしてくれる。査定料は15万円程度。

 

□アンテナ■

「Cバンド」アンテナ(直径3.6メートル以上)

 直径60センチほどのBS、CSアンテナでは受信は無理だ。周波数3600〜4200メガヘルツの電波を受信できる、直径3.6メートル以上の「Cバンド」アンテナが必要である。価格はメッシュ採用のもので30〜40万円。

 それにアンテナを支える土台を築かなければならない。その範囲は4メートル四方あれば十分で、土台はコンクリートで築くか、十字をベースにブロックで重量を重ねるとよい(業者委託で30万円程度)。

 

□受信機■

専用のデジタル受信機

 BS、CS専用受信機ではだめで、「タイコム3」を受信できるデジタル受信機が必要だ。価格は5〜6万円。 (羅基哲記者)

 ※問い合わせ=ハマーズ(横浜市中区松影町2―7―21、TEL 045−651−0898、FAX 045−681−4790)