「同胞大衆新聞」本紙リニューアルから1ヵ月


 本紙が10月4日付から「同胞大衆新聞」としてリニューアルして1ヵ月がたった。

 この間読者から電話、FAXやはがき、Eメールなどで様々な反響が寄せられている。世代交代、生活スタイルの変化、日本定住志向の強まり…。同胞社会を取り巻く状況の変化を直視し、同胞の新聞として生まれ変わろうとした本紙の「思い」は伝わったのか、どうか…。

 

読者から数多くの反響/さらに改善、密着求める声

 今回の再出発に際して本紙は、同胞生活に関わる記事を決定的に増やす一方、健康・趣味、情報、女性・家庭欄、投稿欄(朝鮮語版)などを新設、朝鮮語を読めない同胞を対象に、日本語の紙面を毎号設けた。

 「今まで、配られても見ていなかったが、目を通すようになった」「身近に感じる」「読み応えがある」―肯定的な意見には、同胞生活に密着した姿勢を堅持して欲しいとのメッセージも付け加えられている。

 「やっと在日の新聞が読めるようになったと感動している」「障害者を育てるオモニの経験談や、同胞の清々しい表情を撮った写真に元気が出た」「視点が多面的だ」。民族教育など、従来とは違った視点で取り扱った記事にも注目が集まった。

 日本の学校に民族学級の設置を求めている「民族共生教育をめざす東京連絡会」(代表金敬得弁護士)の活動(10月15日付1面)や、「東京韓国青年商工会」会長のコメント(10月8日付2面)など、今まで正面から扱ってなかった記事に対しても「多角的な情報」(建築士の金容星さん)ととらえられたようだ。

 南朝鮮の情報も幅広く扱うことを心掛けているが、中央日報は「朝総聯機関紙に李承Y(南のプロ野球選手)のニュース(10月11日付8面)」との見出しで「在日同胞社会で宣伝紙の枠を越えている朝鮮新報が話題になっている」と報じた。


 新報は9月28日付の紙上で、読者に「生まれ変わること」を約束したが、課題は山積している。様々な意見を反映すること、今まで見落としてきたものに対する、深い洞察と反省が必要なことは言うまでもない。

 寄せられた反響の中には、「議論の場を作って」「読者の声をもっと反映して」「国際結婚の現実を直視して」「朝鮮半島の政治、経済、社会など独自の情報を」など、さらに改 
善を求める意見も多かった。

 「政治問題を減らし、他を足すといった具合にバランスを少々いじっただけで、本質的に変わったとは言えない」と言う意見も何度か聞いた。「新報は変わったと言うけど、別に取材対象が変わったわけじゃないよ。まず記者が現実に向き合って変わらなきゃ」。

 提供した情報が、同胞の生活にどれだけ役立っているのか―。「変わった」ことを示すのは、この一点でしかないと心に刻んでいる。(張慧純記者)