山で元気!/氷ノ山(1510メートル、兵庫県)


 兵庫県の最高峰である氷ノ山は、中国山地でも鳥取県の大山に次ぐ高峰、日本200名山として人気の山だ。

 「山遊会」メンバー13人(女性7人)は、前夜、福定で泊まり、午前7時、東尾根登山口に車を乗り入れる。30分で尾根道に辿り着く。ブナの黄葉に染まった樹林帯のなだらかな登りの尾根道をハイキング気分で神大ヒュッテを目指す。

 1時間半ほどの歩行で高度が上がり素晴らしい雲海に出会う。氷ノ山、後山、那岐山国定公園の南側の近くの峰々が白雲の上に浮いている。

 神大ヒュッテから古千本と呼ばれる杉の原生林を歩く。高層湿原の県指定天然記念物「古生沼」の横を過ぎ山頂に辿り着いた。360度のパノラマが広がる。近くの鉢伏山、扇ノ山、遠く北方には白雲が山の峰々のように帯状に繋がり、その切れ目に大山が顔を覗かせている。

 記念撮影後、尾根道の氷ノ山越え方向に下る。大山の峰を見ながらの下りの1時間は感嘆、感動の連続だ。

 赤倉山、近くの山の斜面は杉の濃い緑、ブナの黄色、カエデの紅、全山晩秋の錦繍織り成す見事なハーモニーを奏でている。パレットに黄、緑、赤の絵具を搾り出して重ねたような広葉樹林の下り道を隊列を組んで歩く後ろ姿に、木漏れ日が紅に映っている。すぐ後ろの自分は、黄色に染まっている。込みあがってくる感動を抑え難く、急な下り道を一歩一歩踏みしめた(留学同京都OB会登山クラブ「山遊会」金相煥)。

コースとタイム 東尾根登山口〜
東尾根避難小屋〜
神大ヒュッテ〜
頂上〜
氷ノ山越〜
地蔵堂〜
福定登山口駐車場
(10月31日、6時間)
山行アドバイス 関西地方の同胞登山愛好家には特選の山。6月下旬のドウダンツツジの群落の満開と晩秋のブナの黄葉時期がお薦め。