ヒットの真相/DVD
VTR凌ぐデジタル高画質
デジタル技術の急速な進歩に伴い、次世代の映像メディアとして、音響メーカー各社が普及に力を注いでいるのが、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)だ。米国ではすでに高い人気を誇るDVDだが、1996年に家庭用再生機が出始めた日本でも、今年に入って低価格のプレイヤーが続々と登場し、消費者の関心が急速に高まっている。
DVDとは、映像と音声のデータをデジタル信号に置き換えて、音楽CDと同じ直径12センチのプラスチック盤に収めたもの。磁気を使って記録するアナログのビデオテープ(VTR)と異なり、データはすべてデジタル化される。DVDとVTRの関係は、CDとカセットテープの関係に似ている。
DVDの利点は、何といっても画質・音質の良さだ。映像と音声を高品質のまま保てるため、アナログのVTRをしのぐ映像・音声を送り出せる。ディスクには映画1本分の動画の記録が可能。早送りや巻き戻しの手間もなく、見たい部分を探すのも簡単だ。
日本での普及のカギは、プレイヤーの価格と、ソフトのタイトル数にあると言われてきた。
このうち価格を見ると、実売価格で6万円台の廉価版が出始めたほか、映像再生という基本的な機能のみに絞って、4万円を切る価格を実現した商品まで登場した。10万円は下らなかった昨年、一昨年に比べると、驚異的なプライスダウンだ。自宅で使う据え置き型のほか、ウォークマンのような液晶画面付きのポータブル型も、価格は若干高めながら人気が高い。
ソフトは洋・邦画、音楽、アニメーションなど3000タイトル以上が発売されており、ソフトの充実が普及に拍車を掛けている。
各メーカーでは、録画が不可能な現在のDVDを発展させた、録画可能なDVDシステムの開発を進めており、2000年度には商品化される展望という。