大阪朝高で初の公開授業
民族教育の良さを幅広い日本の人たちに知ってもらおうと、大阪朝鮮高級学校(東大阪市)で13日、公開授業が行われた。
サッカー部のインターハイ初出場などを機に、朝高への市民の関心が高まる中、「単なる教育問題としてだけでなく、互いの民族と文化を尊重する心を養いたい」(金弘輝校長)として、企画されたもの。同校ではこれまで、運動会など各種の対外行事に日本の各界人士や市民らを招いたことはあったが、公開授業という形では今回が初めてだ。
山下栄一参院議員(公明党)、尾田一郎府議会議員(自民党)、大阪市や東大阪市の市議会議員、府私学課や外国領事館の関係者、日本学校の教員、地元の市民など、約300人がこの日、1時間目の授業を参観した。参観後には、奈良女子大の中塚明名誉教授が講演したほか、参加者と生徒代表との交流会、クラブ活動の見学なども行われた。
自身も教員の経験がある山下氏は「初めて朝鮮学校を訪れたが、授業を受ける生徒たちの姿勢に感動した」と述べ、今後も朝鮮学校の処遇改善に尽力したいと語った。
参加者からも、「『各種学校』扱いなのが残念。東大阪市はアジアに目を向けた行政に力を入れるべきでは」(公務員の上田治郎さん、59)、「民族文化を守る3、4世の姿に共感を覚えた。日本政府が補助金の支給などで差別をしている事実を恥ずかしく思う」(港区在住の山本節子さん、38)など、処遇改善を求める声が多く上がった。