営業してます/千葉・松戸学習塾「早稲田育英ゼミナール」
学習塾というと「進学塾」のイメージが強いが、苦手科目の克服による総合的な学力アップに主眼を置いた「補習塾」も多い。高幸治さん(56)が塾長を務める千葉県松戸市の「早稲田育英ゼミナール上本郷教室」も、その一つだ。
高さんの本業は、朝高卒業後から30年以上も続くニット加工業。その高さんが自宅兼職場である工場の一角に塾を構えたのは、1996年3月のことだ。
「ニット加工は春夏の仕事なので、冬場は暇なんです。それに、バブル崩壊後は経営状態も良くなかった。それで、自宅でできる副業を探していたんです」。逆に受験シーズンは冬から春先なので、塾は冬場が最も忙しくなる。愛知県で教員をしていた弟が塾を開いたのも刺激になり、首都圏に展開する同ゼミナールのフランチャイズとして、開業に踏み切った。
集団指導の進学塾とは異なり、補習塾は「生徒3人に先生1人」という小規模の個別指導。生徒数は現在12人で、4人の講師が科目別に指導に当たる。講師陣には早大や日大、東京女子大などの現役学生や大学院生が名を連ねる。対象は小・中学生だが、特定の科目をマイペースで学ぶスタイルを気に入って、高校進学後も通い続ける生徒もいるそうだ。
「子供のやる気を引き出し、相応の学力に戻してあげるのが、補習塾の使命。勉強を好きにならなくてもいいから、嫌いにはならないようにさせよう、という心掛けでやっています。あとは本人次第ですけどね」と高さんは語る。
総聯東葛支部松戸分会の副分会長でもある高さんの元には、地元の同胞からの問い合わせも少なくない。「将来、朝高卒業生の国立大学入学資格が認められたりすれば、同胞の同業者も増えるはず。塾業界は不況と少子化のあおりで先行き不透明だが、やりがいはありますよ」(柳成根記者)
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千葉県松戸市上本郷2760―2 TEL 0473−65−7512
交通手段=新京成線上本郷駅下車、徒歩7分
営業時間=小学生は5時10分〜6時10分(60分授業)、中学生は6時20分〜7時50分と8時〜9時30分(90分授業)。曜日は科目ごとに指定