山で元気！/芦屋ロックガーデン（４４７メートル、兵庫県）

　阪急芦屋川駅から芦屋川左岸を、山すそからの水音に誘われて高座の滝へ。軽快なハイキングに心地好い汗をかきだすと間もなく滝に着く。さして高くはないが静寂な雰囲気の中にあり、滝壺に落ちる水音を聞きながらしばしの涼を楽しむ。

　尼崎西トンポカルチャークラブは今年３月に開設、その一部である登山モイムは平均月１回のペースで行い、今では会員１８人。主に神戸の背稜の山々を登り、もう６回目。この日の参加者は１２人（女性６人）、トンポたちの積極性で順調な山行を重ねている。

　高座の滝を過ぎてからは周辺の様子は一変。風雨に浸蝕された花崗岩がゴツゴツむき出した変化に富んだ急な山道になる。このコースは登山を楽しむ人だけでなく、ロッククライミングを楽しむ人たちの「名所」でもある。

　足元に気をつけながら、一歩一歩登りつめていくと芦屋ロックガーデン山頂にある風吹岩に至る。みな汗びっしょりだが清々しい。

　空には雲一つなく、爽やかな秋風がそよぎ、眼下に阪神間の市街が広がる。遠く大阪、和歌山方面までくっきりと見える。瀬戸内の波はキラキラと輝き、その素晴らしい眺望を十分に楽しむ。ある女性は「煩わしい日常生活から解放されて心が和む。やっぱり山はええわ」と言いながら、自分の家がある武庫川辺りの緑を見下ろしながら、「自分の家が見えるわ」と喜びの声を上げる。

　ここから先は色づき始めた（今年は例年より遅い）木々の紅葉が美しい山道を金鳥山に向かい、ここで昼食。キムチ、チヂミなど朝鮮のおかずも持ち寄り、皆「自然の中で食べると味はまた格別」と言いながら空腹を十分に満たした。全コースは六�`で、気軽に楽しめた登山だった。

　四季折々の山を健康的に歩き、自然の移り変わりを体中で感じられる喜びは何ものにも変え難いと山行のたびに思う（兵庫・尼崎西トンポカルチャークラブ登山会・呉勝弘）