美への誘い/赤穂・田淵記念館


 兵庫・赤穂市立田淵記念館には、日本画、書、茶道具、婚礼道具など多岐にわたる美術品、古文書類がある。江戸時代中期から当地で塩田、塩問屋などを営んできた「田淵家」から寄贈されたものだ。

 とくに茶道具の数が多いが、中でも茶碗は数も多く種類も多彩だ。今回の企画展「茶碗―高麗茶碗から現代作家の茶碗まで―」では、館蔵品20余点に加え、市内の収集家所蔵の現代陶芸作家の手による茶碗も合わせて紹介している。この中には人間国宝作家の物も含まれる。

 館蔵品の中からは、16〜17世紀に朝鮮半島で制作された高麗茶碗6点のほか、江戸時代に各地の窯(かま)で制作された国焼茶碗、楽家代々の楽茶碗など、100年以上前に制作されたものが展示されている。現代作家のものは、古来の名碗を模したもの、作家の個性溢れるもの、斬新な趣向のものなど様々だ。

 新旧織り混ぜた名品の数々を堪能してみてはいかがだろうか。

 12月20日まで。火曜休館。大人200円、小・中学生100円。団体割引・身体障害者割引あり。TEL 0791・42・0520。