春夏秋冬
友人は、ヨーグルト配達をして息子と娘を育てている。もう10年間、その仕事で糊口をしのいでいるが、彼女の生活内容はというと、生活と呼ぶにはほど遠く、「生存」しているだけと言っても過言ではない
▼手の平は、ひび割れて血がにじみ、足の爪はつぶれ、血が出なくなって久しい。1日中、高層アパートの階段を上り下りして配達し、荷車を曳いていて車に轢かれそうになったことも数十回。夫は職を失って帰ってこなくなり、最近、離婚した
▼そんな彼女が母子家庭支援金を受け取るために、洞(地方行政区域の末端)事務所を訪れた。職員は支援すべき住民があまりにも多いので、いくらかでも稼ぎのあるアジュモニのような人には支援金は回らない、と言った。追い打ちをかけるように前夫の借金のために家財道具一切を競売で持って行かれてしまった――南朝鮮の孔ソノクという小説家が、ある人権ニュースに書いた内容だ
▼国連開発計画(UNDP)と南朝鮮の市民団体「参与連帯」が先月10日に発表したところによると、月収が23万4000(2万1000円)ウォンにも満たない貧困層は、1030万人にもなる。南朝鮮全人口の18.8%、5人に1人が前述のアジュモニのような生活を強いられているのだ。なのに当局が生活保護の対象としているのは、全人口の4%にしか過ぎない
▼一昨年の経済危機から満2年が過ぎた。金大中「政権」は今年度の経済成長率が12.3%を記録し、国際収支も200ドル以上の黒字を達成しそうだと発表した。が、それは外国資本に民族経済を明け渡し、貧困層を犠牲にして達成された数字である。 (元)