経済センサー/欧州で新世代携帯電話


 住友銀行の調べによると、欧州では現在、「第3世代」の携帯電話システムが実用化の段階を迎えている。

 アナログ回線利用の第1世代、デジタル化された第2世代に続くもので、各種マルチメディア対応サービスを固定電話回線の四十倍の速さで提供する。

 従来のシステムにも簡単なデータや文書の送信機能はあるが、伝送速度は通常の固定電話回線の5分の1と遅く、携帯電話の契約者がデータ送信に利用する割合はサービス全体の3%に止まっている。

 新システムが普及すれば、今後5年以内にデータ送信が移動体通信サービスの過半を占め、関連事業収入は欧州全体で2.8兆円相当に達する見込みだという。

 先行しているのは北欧諸国で、フィンランドでは事業社への免許が交付されつつある。新システムにおける企業間競争がし烈になるのは確実で、サービス内容の充実などが注目される。