課題は敵視政策の放棄/朝・日関係改善 政治家の合意
【平壌発=金志永、李鉉民記者】日本政党代表団の平壌訪問と、朝鮮労働党代表団との会談は、朝・日関係を改善するためにはまず、日本が政策を新たに転換しなければならないという事実を改めて示した。
政府間交渉の早期再開のための、政治家たちの役割などを明記した共同報道文の内容の実効性は結局、日本がこの百年間にわたって実施してきた対朝鮮敵視政策を止め、世紀の分岐点で新たな出発ができるのかどうかということにかかっている。
2日に行われた会談では、代表団団長らの冒頭発言が、約50分間にわたって記者たちに公開された。異例のことである。
「朝鮮のミサイルが危険と言うこと自体、関係改善の意思がない証拠である」
日本側の村山団長は、日朝間の懸案であるとして、いわゆる「ら致問題」、「ミサイル問題」などについて言及した。すると朝鮮側の金容淳団長は、それらがすべて、日本の対朝鮮敵視政策の表れであると反論した。
「日本は米国と関係が良いので、その国のミサイルは危険ではないと言う。ならば、われわれとは良い関係を築かないということなのか」
日本は昨年夏、朝鮮の人工衛星打ち上げを「ミサイル発射」と主張しながら、国交正常化交渉の再開交渉、食糧支援の凍結、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)に対する資金支出凍結、日朝間のチャーター便の凍結などの制裁措置を決定した。その結果、両国間には最悪の対決状況が作り出された。しかし、朝米会談の進展など、周辺情勢の変化にどうすることもできなくなり、日本は仕方なく制裁措置の一部を解除した。今回の政党代表団は、チャーター便の初利用者となった。
対決から関係改善へ―この間、政策が大きく揺らいだのは日本であった。朝鮮は、過去清算に基づいた善隣関係の構築という、朝・日関係の本質を再三にわたって指摘しながら、「被害者の選択は加害者の態度いかんにかかっている」(8月10日の政府声明)という一貫した立場を取ってきた。
今回発表された両代表団間の共同報道文は、「可能な限り早く不幸な過去の歴史を清算し、両国人民の利益に沿って朝・日関係を改善発展させることが必要である」と強調した。
今後再開される政府間交渉が、朝・日関係の本質から目をそらしてはならない、ということについて双方が確認したのは意義がある。
日本政党代表団メンバーは帰国に先立ち、次のように語った。
「北朝鮮の脅威を主張する世論を変えていかねばならない」、「すべての政党代表が参加し作った合意だけに、その実践に対する責任は重い」(代表団幹事長の野中広務衆院議員)
言葉に嘘があってはならない。「なぜ、北朝鮮のミサイルが脅威に見えるのか」、これからは日本がその原因を最後までつき止め、問題解決のための具体的な行動に出る番だ。