映画/アナライズ・ミー(アメリカ)
世はストレス社会。それはマフィアの世界でも同じらしい。マフィアのボスが、精神分析医のセラピーを受けることで「パニック症候群」から解放されるまでがおおよそのあらすじだ。こう言うと単純なストーリーだが、ロバート・デ・ニーロ、ビリー・クリスタルの両演技派がそれぞれマフィアのボスと精神分析医を演じ、上質なコメディーに仕上った。
マフィアのボスがかかった「パニック障害」は1980年代に命名された現代病。突如強い恐怖や不安に襲われ、動悸(き)、発汗、震えなどの症状をともなう。だが、心電図を調べても異常はない。原因は精神的ショックやストレスから来ている。映画の場合はボスの幼児体験が原因。自分の面前で父親を殺されたことがトラウマになっていた。それを知った分析医は、父親の呪縛から逃れるよう説く。精神的に解き放たれたボスが最後にとった行動は…。(聖)
(監督=ハロルド・ライミス、脚本=ピーター・トーランら、主演=ロバート・デ・ニーロ、ビリー・クリスタル)