春夏秋冬
1900年代も残すところわずかになった。この年代、2度の大戦があり、米ソの冷戦期には3度目の大戦の発火点にもなりかねなかった朝鮮、ベトナムを舞台にした2度の戦争があった。いずれも米国の介入によるものである
▼まさに戦争の世紀だったが、1800年代との最大の違いはガス、細菌、核、ミサイルという近代的な兵器が次々と開発され、戦車、飛行機などの新手段によって、大量殺りくが繰り返されたことである
▼その一方で、市民が最低限の生きる権利の獲得のために立ち上がった革命の時代でもあった。パリコンミューンの挫折から教訓を得たマルクスがエンゲルスと共に、共産主義理論を集大成し、レーニンがロシアで実践に移した
▼数度の挫折を味わいながらも1917年に革命は成功し、ソ連邦が誕生した。世界の分割を夢見ていた欧米列強は、その波が押し寄せてくるのではないかと震かんし、共鳴者たちを徹底的に弾圧した。そのソ連も指導部の形がい化によって91年についえ去った
▼こう見てくると、1900年代は戦争と革命の時代であり、と同時に第2次世界大戦後、わが朝鮮がそうであったように、植民地支配下にあった諸国が自主・独立を果たした時代でもあったといえる
▼2000年代はどういう時代になるのだろうか。米国とソ連という超大国の陣営に色分けされていた世界は現在、冷戦構図の崩壊後、それぞれの民族単位での団結、独立を目指す動きが顕著である。2000年代という時代の流れを見極めるうえで、キーポイントになると思うが、読者諸氏はどうお考えだろうか。 (彦)