経営トレッド/401Kプラン
「401kプラン」とは、「米国歳入法401条k項」に基いている企業年金制度のことで、従業員が掛け金の投資先を自分で選び、年金の給付額が運用実績に応じて変動するものだ。
従来の日本の企業年金のような、会社があらかじめ一定の給付水準を約束している「確定給付型」とは異なり、掛け金(拠出)の額がまず決められていることから「確定拠出型」と呼ばれる。
掛け金は、加入者である従業員が任意で設定する拠出金に、企業が給与の一定比率を上乗せして、これを個人の勘定として積み立てて行く。
将来に受け取る年金額は、加入者が自身の責任において運用した成績に応じて変動する。そのため、企業は給付額を保障するリスクから解放される。
従業員にとっては掛け金が所得から控除される税制上のメリットのほかに、積み立て資産の所有権が明らかになっているために、転職する場合にもその資産を転職先の制度に移せるという利点がある。
米国では1984年から97年にかけて、加入者で3倍、資産残高で18倍と急速に普及した。日本では大蔵、通産、厚生、労働の各省が具体案を作成し、2000年の秋をめどに導入しようとしている。非課税枠を巡り企業の不満も出ており、論議はなお続いているが、金融機関の間には新たな年金ビジネスの拡大をねらった動きも出ている。 (尹弼錫・朝大経営学部長)