駐独書記官夫妻拉致事件に関する祖統委書記局真相公開状の内容
南朝鮮の「国家安全企画部」(安企部)による駐独朝鮮利益代表部書記官夫妻拉致事件と関連し、祖国平和統一委員会(祖統委)書記局が1月26日に発表した真相公開状の内容は次のとおり。(朝鮮通信)
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去る1月13日、駐独朝鮮利益代表部の金m弼書記官夫妻が安企部に白昼拉致される事件が発生した。南当局者は世論を他に逸らそうと権謀術数をめぐらせている。祖統委は、現地で得た物的証拠に基づいてテロ行為の真相を告発する。
安企部は、金書記官が任期を終えて1月18日に帰国するとの情報を入手。スパイの崔チャンドンが金書記官のコンピューターから盗み出した入力データを餌に書記官をおびき出して拉致する作戦を立て、韓ヒョンスら4人による行動隊をベルリンに派遣した。
韓は1月9日、電話で「商取引の手助けをしてほしい」と言い、1月13日午前10時にヒルトンホテルで会おうと言った。
韓一派はホテル前で彼を拉致することにした。B−ss−5787ナンバーの乗用車から安企部要員が監視する中、韓は姿を現した。しかし、金書記官が代表部メンバーとともに現れたため、計画は実行できなくなった。韓は金書記官に「事業計画書」と言って封筒を手渡し逃げ帰った。
中には「0172−3123375 韓ヒョンス」と書かれた紙と、秘密提供脅迫の手紙、盗み出したデータの目録、現金1000ドルが同封されていた。金書記官は激昂し、夫人も直接会って糾弾したいと語った。
韓一派は同日10時30分頃から金書記官に再び脅迫電話をかけたが、金書記官は安企部の謀略を国際社会に公表すると強硬姿勢を取った。焦った韓一派は12時30分頃に再び電話で、世論への公表を考え直すよう哀願した。金書記官夫妻は金を返すため代表部事務室を出た。現地時間13時頃、韓一派は現れた金書記官夫妻を拉致した。
われわれは1月16日、南当局は書記官をただちに原状復帰させ、謝罪すべきだとする警告の手紙を、板門店の連絡ルートを通じて南側に送ったが、南当局は、自分たちは事件とは無関係だと言わんばかりの回答を寄せた。
脅迫の手紙、データの目録、テロ犯の写真、乗用車のナンバー、肉声の録音テープなどの物的証拠は、安企部が首謀者であることを立証している。われわれの調べで、韓の電話番号はドイツの電話帳には載っておらず、安企部要員が使う携帯電話の番号であることが判明した。
1月17日に朝鮮日報が駐独聯合通信に資料を提供し、翌18日に南のマスコミが「金書記官が米国領事館に亡命申請」と一斉に報道したが、当時、現地の捜査機関はおろか外務省や米国大使館すら、その事実や証拠をつかんでいないと述べた。われわれの警告措置に焦った安企部がでっちあげた「米国亡命」の脚本を朝鮮日報に提供したのは明らかだ。
南当局は19日、「亡命申請の事実は米政府の公式通報によるものだ」とし、ドイツ政府の了解の下、亡命手続きが完了したと力説した。しかし、翌20日には南の聯合通信に「第3国に行く可能性がある」と言った。この発言も「亡命」がねつ造であることを明白にするものだ。
安企部が拉致した書記官夫妻を米国が確保していることは、米国も事件の共犯者であることを示している。南と米国が拉致した書記官夫妻を原状復帰させず、反北謀略に利用して朝鮮半島情勢を緊張させ、南北関係を悪化させるなら、それから招かれるすべての結果に対して全的な責任を負うことになるだろう。