第13回在日朝鮮中高級学校サッカー選手権大会
第13回在日朝鮮中高級学校サッカー選手権大会が1月29〜31日に東京・駒沢競技場で行われた。今後の朝高サッカーを背負って行く中級部選手の技術を高め、同時に今年の各朝高の実力を占ううえで重要な場となった今大会には、中・高級部の両部門合わせて16チームが参加。中級部では大阪朝高学区選抜チームが、高級部では神戸朝高が優勝した。
中級部部門には東京AとB、大阪、神戸、愛知、京都、広島、神奈川、九州、茨城、東北の各朝高の学区選抜チームが出場した。競技はトーナメント戦で行われ、まず大阪、神戸、広島、東京Aが4強に進んだ。
準決勝戦はいずれも、いつになく実力が伯仲した好ゲームとなった。
大阪・神戸戦では、前後半を終えた時点で1−1。延長戦に進み、大阪が後半にゴールデンゴールを決めて接戦をものにした。
東京A・広島戦も同じく接戦となり、延長戦を1−1のまま終了。PK戦の結果、東京Aの勝利となった。
3年続けて同じ顔合わせとなった大阪対東京の決勝戦では、後半に入り大阪が徐々に主導権を握った。結局、10分と23分に得点した大阪が2−0で2年連続優勝を決めた。
同大会の中級部部門が学区選抜制となってから、今年で4年目。在日朝鮮蹴球団の李清敬監督は、「毎年、水準が上がっており、今回も4強に残ったチームはいずれも高い実力を備えている。大阪は個人技に優れ、サッカーの完成度も高い。神戸と広島も戦略面で鍛練されており、中身のあるゲームを見せてくれた」と評する。
優勝した大阪朝高学区選抜チームのメンバーらは、「大会で勝つことだけでなく、高級部につながるサッカーをしようと目標を定めていた」「大阪朝高に進学しても、また東京に勝てるよう練習に励む」などと話していた。
なお、3位決定戦では神戸が広島を3−1で下した。
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高級部部門は、各地方で行われる日本の新人大会と日程が重なった大阪、京都、愛知など各校が不参加となり、東京、神戸、九州、広島、神奈川の5チームがリーグ戦で勝敗を競った。
中級部同様、高級部でも接戦が多く見られ、初日は10試合のうち4試合が引き分け、4試合が1点差だった。
そうした中でも、広島と東京を1−0で下すなどの健闘を見せた神奈川が準優勝。東京に2−1で勝利するなど3勝1敗の成績をおさめた神戸が、第8回大会以来、2回目の優勝を遂げた。
神戸朝高サッカー部は父母らの支援のもと、年初に西神戸朝鮮会館で合宿。ゲームウェアも新調するなどして、心機一転の姿勢でチームの強化に取り組んでいる。
昨年4月から神戸朝高サッカー部を専任で指導している金相煥監督は、「今年のチームは実力のうえではまだ未熟だが、結束が固い。今回の優勝は選手らにとって大きな自信につながったと思う。3月には中・四国地方への遠征も計画しており、5月から始まるインターハイ予選を勝ち抜けるよう努力したい」と話した。