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羅津・先鋒市で合弁ホテル経営の姜昌先氏(兵庫県商工会副会長)に聞く


 共和国との合弁で、北部国境地帯の羅津・先鋒市でホテルを経営している兵庫県商工会の姜昌先副会長(74、尼崎東商工会会長)に、ホテル事業と現地の様子などについて聞いた。琵琶島が見渡せる眺めのよい海岸沿いにあるホテルの名は琵琶観光ホテル。姜副会長が総社長、共同出資した尼崎東商工会の姜大宇理事長と文斗万氏が社長を務める。(文責編集部)



 1997年8月に開業してから1年半が過ぎたが、経営は軌道に乗りつつある。昨年1月〜10月の間の決算では、約100万円の黒字が出た。

 当ホテルは平屋建てのコテージ11棟で客室は30、総収容人員は120余人だ。また2ヵ所のカラオケ場、大食堂、娯楽場などがあり、45人の従業員と平壌・高麗ホテルにいたコック5人が働いている。敷地内には平壌医学大学の医師が常時対応する無料診療所も設けた。

 当ホテルの売りは、新鮮な海の幸を使った料理と従業員の行き届いたサービスだ。主な利用客は中国・延辺から来る朝鮮族の観光客だが、「料理が美味しい」「従業員の接客態度がいい」「ホテル内が清潔」などと評価の声も多い。

 よりよいサービスのため従業員の意欲向上に努めており、私たちは現地を訪れる度に慰労パーティーを開いたりプレゼントを贈る。現地にはこれまで何度も行っているが、今後も年に2回は足を運び、より魅力あるホテルにしていくために設備投資を続けるつもりだ。まず、今年中に野外レストランとサウナを備えた大浴場を建設する予定だ。

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 最近では昨年11月に行ったが、羅津市場の賑わいぶりが印象的だった。中国産をはじめ豊富な商品が並び、活気に満ちていた。

 羅津から中国へ抜ける元汀橋までの道路も、舗装がだいぶ進んでいた。今秋には完成するという。また中国・現通海運集団公司が手がける延辺―羅津―釜山を結ぶコンテナ航路が、東北アジア諸国間の経済交流で重要な役割を果たしている。中国の企業や南朝鮮の現代グループなどの貨物が運ばれていた。

 当ホテルの近くに香港・エンペラーグループが建設している高級ホテルは今年中に完成する予定だという。宿泊施設の数は少しずつ増えており、私たちが知る限りでも市内で大小六つのホテルが開業している。一方、外国に直通電話がかけられる公衆電話も新たに設置されていた。

 インフラ整備は地帯開発の最大の懸案だ。困難な中でも少しずつ前進しているようだが、もっと早く進める必要がある。今後、インフラ整備が進み、資本と物資、人の往来が増えるのに伴い、当ホテルも大きく発展していくだろう。ホテルの経営を通じて、共和国の経済建設に寄与できたらと切に願う。