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京都大学大学院人間・環境学研究科も朝鮮大学校卒業者に受験資格


 京都大学大学院の人間・環境学研究科が1999年度の修士課程入試で、朝鮮大学校卒業(見込み)者に初めて受験資格を認めた。

 同大学院では理学、経済学、教育学、文学の各研究科も今年度入試から門戸を開放しており、理学研究科には1人が合格。法学研究科も来年度以降、受験を受け付ける方針を決めたという。京大大学院では全13研究科中、約半数に当たる6研究科が朝大(卒)生に門戸を開いたことになる。

 人間・環境学研究科では、同研究科の募集要項に従来から出願資格としてある「本研究科において、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者」との項を適用した。京大の学内規則に基づくこの規定は、学校教育法施行規則に従ったもの。他の研究科もほぼ同様の判断をしているが、これについて文部省は「法解釈の誤り」であり、「各種学校である朝鮮大学校の出身者には大学院の受験資格はない」との姿勢を崩していない。

 しかし、門戸開放が全研究科の半数に達しようという京大大学院に続き、先日は九州大学大学院でも一研究科が朝大(卒)生の受験資格を認めた。

 さらに東大大学院総合文化研究科では昨秋、教官ら40余人が賛同人として名を連ねた要望書が研究科長あてに提出されている。朝大側も、来年度受験希望者がいるとして、同研究科に受験認定を要望した。

 一方、一橋大大学院社会学研究科でも昨秋、朝大卒の志願者を門前払いしたことから内部で異論が噴出。適切な解決策を取るよう求めて国立大学協会に要請書を提出している。