sinboj_hedline.gif (1986 バイト)

視点


 「対北朝鮮『対話と抑止』で」。日本の高村外相が南朝鮮を訪問し、金大中「大統領」をはじめ閣僚らと相次いで会談した時に強調した内容だ。

 「抑止」とは、米国の軍事力などを背景に共和国に強い姿勢で臨むことで、「対話」とは朝米協議に代表されるように外交で問題を解決する手法という(朝日新聞12日付)。

 朝米協議などが進み、日本政府だけが対北強硬姿勢一辺倒を続けることができなくなったため、「抑止と対話」の二本立てで対応しようとの方針転換だ。

 しかし敵視政策が変わったわけではない。「ミサイル問題」や「地下核施設疑惑」を引き続きうんぬんしている。

 共和国がこれまで何度も強調してきたように、ミサイルの開発、実験、発射は自主権に属する問題である。また昨年8月に打ち上げたのは人工衛星だ。さらに「地下核施設」問題は米国と協議しており日本が口出しする問題ではない。

 高村外相は「北朝鮮からの建設的な対応があれば、関係改善を進める用意がある」とも表明した。朝・日間の対話・交渉の扉を閉ざし、関係改善に進めなくさせたのは日本側だ。

 日本政府が真に「関係改善」の意思があるなら、共和国に「建設的な対応」を求めるのではなく、自分の方から「建設的な対応」をすべきである。

 そのためには前提条件をうんぬんせず、敵視政策を止め、過去に対する謝罪と補償の意思を明確にすることだ。 (喜)