シドニー五輪へ期待されるホープたち/W杯初出場の女子サッカー 金淳姫選手(26)
女子サッカーの共和国代表、金淳姫選手(26)。ポジションはDFで、チームの大黒柱だ。
米国で開かれる第3回女子ワールドカップ(W杯、6月19日〜7月10日)を記念し、現地で14日(現地時間)行われた米国代表と世界選抜の親善試合に、世界選抜のDFとして先発出場した。相手FWのパスをカットして即座に攻撃に切り換えるスピードや、試合を巧みにコントロールする技術を国際サッカー連盟(FIFA)に買われての選出だ。試合では、堅い守りと、DFながらチャンスにはシュートを打って出る積極性を見せ、世界選抜が2−1と逆転勝利した。
金選手がサッカーと出会ったのは18歳の頃。陸上短距離の選手だった彼女を、月尾島体育団(平壌市)がスカウトしたのがきっかけだ。母親は「女の子がサッカーなんて」と猛反対したが、唯一、理解を示してくれた父親に励まされ、入団を決意。女子サッカーへの挑戦が始まった。
その後、彼女の実力はみるみるうちに上昇。短距離で培った瞬発力と空中戦の強さで、2年後には代表デビューを果たした。
月尾島体育団ではFWだったが、「DFにスピードが求められる世界の流れから」、代表チームではDFにコンバートされた。「基礎技術もまだまだ足りないのにこんな重要なポジションが務まるのか、悩んだ」が、ブルガリアやドイツなど強豪国に遠征し、最高の技術を独学で習得した結果、今やチームになくてはならない存在となった。
共和国代表は今回が初めてのW杯。チームが属する予選リーグA組は、米国、ナイジェリア、デンマークと強豪揃いだが、「朝鮮女性の底力を見せつけますよ」と意欲満々だ。(高)