視点
「北朝鮮は何年か干ぼしにすればいい」
17日に行われた自民党の危機管理プロジェクトチーム(座長=額賀福志郎・前防衛庁長官)の会合に参加した若手議員の間から、こんな暴言が飛び出した。
共和国への食糧支援について論議する過程で出てきたもので、「干ぼしは極端な意見とは思わない」などの強硬論が相次いだとされる。
干ぼしとは「食物がなくて飢えやせること」(岩波書店「広辞苑」)。「干ぼしにする」とはつまり、共和国の人々を「飢え死に」させると言っているのだ。
人間としてこのような暴言が到底許されるはずがない。根底には朝鮮民族に対する蔑視思想がある。こうした考えに立っているから、いまだに過去の植民地支配を謝罪せず清算を回避している。しかも政治家としてあるまじきこのような暴言を追及する、良識あるマスコミがいないのが残念でならない。
共和国に対する食糧などの支援は世界的動きとなっている。最近だけでも中国は原油を、インドはコメを無償で提供した。米国は昨年に見合った食糧支援を検討しており、EU(ヨーロッパ共同体)も同様の動きを見せている。南朝鮮も肥料支援に前向きだ。
だが、1人日本だけが「ミサイル」を口実に取った食糧支援などの「規制措置」を解除していない。
このような低レベルの発言を繰り返す政治家がいる限り、真の朝・日関係改善はむずかしい。(聖)