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ここが知りたいQ&A/第4回地下施設協議が27日から始まるが


「経済的恩恵」あれば訪問許可/進展いかんは米の対応しだい

  朝米間の第4回地下施設協議が27日からニューヨークで開かれるが、前回までの協議内容は。

  共和国は、「核施設」という疑惑は否定しながらも、朝米関係を考慮し、米国が共和国を中傷、冒とくしたことに対する補償として3億ドルを提供するか、それに相応する経済的恩恵が与えられれば、特例として一度だけ金倉里の対象への訪問を許可するとの姿勢を示した。敵対国である米国に、国家安保上きわめてデリケートな対象を一度開放すれば、二度と本来の目的に沿って使えなくなるだけに、共和国の補償要求は極めて正当だと言える。

 これに対して米国は「複数回」の「査察」を要求した。また共和国の補償要求については拒否しつつも、「見返り」として食糧支援(40万トン)と経済制裁の一部解除を検討していると言われる。さらに米国は「地下核施設疑惑」と朝米基本合意文を別問題と認め、重油納入と軽水炉建設工事を進めることを保証した。

  第4回協議の展望は。

    現場訪問や「見返り」の規模などが論議され、米国が共和国の補償要求に肯定的に対応すれば、何らかの進展があるものと予想される。第3回協議後、米交渉団の1人は「焦点は、疑惑そのものではなく、疑惑解消の手段だ」と述べ、査察方法や「見返り」の具体的内容など、細部を詰める交渉にまで踏み込んだことを示唆した。


  「核関連」という確証はあるのか。

  ない。そもそも「地下核施設疑惑」とは、米ニューヨーク・タイムズ紙が昨年8月、情報当局から説明を受けた米政府関係者の話として「北朝鮮が新たな核兵器開発計画の中心と見られる巨大な地下施設を、寧辺の東北約40キロメートルの地点に建設している可能性がある」と伝えたのがきっかけで、「核関連」という確証は何もない。

  日本では既成事実かのように報道されているが。

  マスコミが意図的に「脅威」を煽っているが、中味はずさんな報道だ。例えば、「週刊新潮」98年9月3日号は「偵察衛星が発見した北朝鮮『秘密地下核施設』」と見出しをつけたが、記事を読むと衛星写真の出所や場所、日時はまったく不明。防衛庁や日本の情報当局関係者の推測発言をつなぎ合わせながら、「事実」であるかのように書き立てた。また「米スパイ衛星が捉えた映像も、まさに山間で働く数千人の作業員の姿だった」というが、こうした映像だけで「地下核施設」と結び付けるには無理がある。

 また「週刊ポスト」1月29日号は「地下施設を写した衛星写真」との中見出しをつけた記事で、昨年末に訪日したペリー北朝鮮政策調整官が日本の防衛庁幹部に示した衛星写真を、「建設資材などを満載して山中を走るトラックの列や、地中に続く大規模なトンネルの入り口などが鮮明に写っていた」とし、「核開発の実態を示す極秘資料だった」と決め付けた。ここから推測できるのは何らかの工事現場らしいということだけで、それが「核開発の実態を示す」ことにはならない。

 いずれも偵察衛星の能力に対する一般の知識が少ないことを利用したレトリックだ。例え偵察衛星でも地下施設の内部まで見るのは不可能だ。