「在日朝鮮人女流美術展 パラムピッ99」
「在日朝鮮人女流美術展 パラムピッ99」(金聖蘭事務局長)が2月23日から28日まで東京・銀座の画廊で開かれた。
「パラムピッ」は在日朝鮮人女性美術家の作品を出品する場を作っていこうと開いてきたもの。隔年毎に行われ今年で4回目。現在会員数は50人。20代から60代までの幅広い層が網羅されており、今回は34人、50余点の作品が出品された。
「夕寂」(朝鮮画、S40)を出品した金玉珠さんは「院展」に入選するほどの実力を持つ要の会員の1人だ。
「発表する場を自分たちでつくり、日頃男性の影に隠れたり、子育てや、家事でひっ込んでしまいがちな在日朝鮮人女性画家の全体の水準を上げていく契機になれば」と、語る。岩絵の具を使った「夕寂」は、柔らかさを持つ子供と古い大木を対比させて描いた渾身の作。
仕事と子育てをこなしながら3ヵ月かけて描いたという池貞淑さんの「昼寝」(朝鮮画、F30)は、ひたむきな子供の寝姿をとらえたやさしさの伝わる作品だ。また、金牡丹さんの「双」(油彩、F40)のような女流展ならではの斬新な作品や、全京愛さんの趣味の域を越えた陶芸作品(13点)なども展示されている。
23日のオープニングレセプションでは、今回「自画像」(油彩、F30)を描いた韓美華さんなど若い世代を加え、今後も充実した美術展にしていきたいと関係者らはそろって抱負を語っていた。
「芸術全般のことを熱く語るだけでなく、画家として作品を以て論じ、批評されたい」という、金さんの言葉どおり、同会の志向性の高さと意欲がうかがえる美術展だった。