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大阪朝高ボクシング部3選手の横顔/第10回全国高校選抜出場へ


 大阪朝鮮高級学校ボクシング部の金太洙、秋永秀、金基文の3選手が、25〜28日に広島県で開かれる第10回全国高等学校ボクシング選抜大会兼JOCジュニアオリンピックカップに出場する。3選手は、昨年9月の大阪府大会、11月の近畿ブロック新人大会でそれぞれ優勝し、全国選抜大会出場の切符を手にした。昨年の大会で優勝した先輩の白永鉄選手に続き、「優勝して大阪朝高の名を轟かせたい」と日々の練習に励んでいる。出場を控えた3選手を紹介する。 (順)

 

金太洙

階級 フェザー級
身長 170センチ
生年月日 1981年9月17日
出身中級部 東大阪朝中
戦績 25戦20勝5敗
短評 右のファイター。インターハイに出場するなど、全国規模の大会経験が豊富。メダル獲得の最有力候補。
抱負 「インターハイでは前に進むことしかできなかった。今大会ではもっと自分の力を信じ、気持ちに余裕を持って試合に臨みたい。同胞たちの期待に応えるためにも必ず優勝したい」

 

秋永秀

階級 ライト級
身長 175センチ
生年月日 1981年8月9日
出身中級部 中大阪朝中
戦績 16戦10勝6敗
短評 右のボクサーファイター。昨年11月に行われた朝・日親善高校ボクシング大会で優勝。忍耐力と体力を克服すればメダル獲得も可能だろう。
抱負 「初の全国大会を目前に少し緊張しているが目標はあくまで優勝だ。インターハイにつなげる試合にするためにも、体力作りに励みたい」

 

金基文

階級 ライトウェルター級
身長 180センチ
生年月日 1981年6月16日
出身中級部 東大阪朝中
戦績 11戦6勝5敗
短評 サウスポーのアウトボクサー。現在、実力がめきめきと上がっている期待の選手。
抱負 「不安がまったくないわけではないが、足を使った『自分のボクシング』を貫き通したい。最後まで主導権を握って試合を進めるためにも、下半身の強化に励みたい」

 

インターハイにつなげたい

 全国選抜大会は、都道府県大会優勝者、各地方ブロック大会優勝者などの実力者が集まる大会だ。試合はオリンピック同様3分3ラウンド(インターハイは2分3ラウンド)、トーナメント形式で行われる。

 これまでの朝高生の戦績は金1、銅3。

 今回、全国選抜に出場する3選手の中でも注目されるのが、主将の金太洙選手。

 昨年6月の近畿地方高等学校ボクシング選手権大会で優勝している。昨年8月のインターハイ出場も果たしたが、3回戦で惜敗した。初めて経験した「全国の舞台」。「リングに上がった瞬間、観客の多さに頭が真っ白になった」。以来、その時の雪辱を晴らそうと猛練習を重ねてきた金選手は、「今大会は自分のペースで試合を進めたい」と抱負を語っていた。

◇◇

 【ボクシング部を指導する梁学哲教員の話し】

 昨年は全国選抜大会で、白永鉄が朝高生として初の金メダルを獲得した。まさに、「各種学校」という壁にはばまれ、公式大会に出ることなく過ごした朝高ボクシング部の長く重い歴史の中で、朝高生が全国の頂点に立った意義深い年だったと言える。

 こうした先輩の活躍を励みにして、後輩たちも昨年11月の新人大会での優勝をはじめ、数多くの大会で活躍し、経験を積み重ねてきた。

 昨年に続き、今大会で優勝を狙うのはもちろん、今年最大の目標は、より規模の大きなインターハイで優勝することだ。朝高生に参加が認められてから今年で6年目だが、残念ながらインターハイ優勝はまだ成し遂げてない。

 これが私たちの最大の目標であり、民族教育の目標とも言えるだろう。3選手にとって今大会がインターハイへとつながる良い経験になることを願う。