民族大団結で統一へ/90年代の歩み(4)
南北合意書と非核化宣言(1991年12月13日、92年1月20日)
7.4共同声明以来の歴史的意義
南北高位級会談第5回本会談では「南北間の和解と不可侵及び協力、交流に関する合意書」が採択され、第6回本会談で発効した。これは、自主・平和統一・民族大団結の祖国統一3大原則に基づく1972年の7・4南北共同声明発表に匹敵する南北当局間の合意である。
南北合意書は4章25条からなる。前文では、7・4共同声明で明示された祖国統一3大原則を再確認し、双方の関係が国と国との関係ではなく、統一を志向する過程で暫定的に形成された特殊関係であると認めたうえで、@政治軍事的対決状態を解消して民族の和解を実現A武力による侵略と衝突を防いで緊張緩和と平和を保障B多面的な協力と交流を実現して民族共同の利益と反映に寄与――することなどを誓い合った。
南北合意書の採択によって、南北間に政治、軍事、経済、文化など各方面で協議を深める基礎が築かれ、相互信頼と民族的団結を図り、統一に有利な局面を切り開ける現実的可能性が作られた。とくに、南北が不可侵を確約し、朝鮮半島の核問題を解決するための共同の意志を確認したことで、緊張状態を解消して核戦争の危険を防ぎ、平和を保障するための新たな突破口が開かれることとなった。
一方、南北合意書と同時に「朝鮮半島の非核化に関する共同宣言」も発効した。南北が核兵器の実験、製造、生産、受け入れ、保有、貯蔵、配備、使用をせず、核エネルギーを平和目的にのみ利用するなどと約束したものだ。非核化宣言は、朝鮮半島で核戦争の危険を根本的に取り除き、国の平和とアジア、世界の安全に貢献し、国の平和統一に有利な前提を築くうえで画期的な意義を持つものだ。
その後、南北合意書履行のための具体的措置として、3分野の付属合意書が作成され、共同委員会の構成や連絡事務所の設置で合意した。また、非核化宣言履行のための南北核統制共同委員会が構成され、92年3月から12月まで13回にわたり協議が開かれた。しかし、米・南当局が92年は中止していた合同軍事演習チームスピリットを93年度に再開すると決定したため、協議は中断され、12月に予定された南北高位級会談第9回本会談も中止。以来、南北合意書も非核化宣言も履行されていない。
なお、北側は今年2月3日の政府・政党・団体連合会議で、南側に反北外勢との「共助」破棄などの先行事項の解決を求めながら、南北高位級政治会談を提案し、南北合意書履行対策を基本議題にしようと主張した。