金正日総書記、江原道の土地整理事業を現地指導
金正日総書記は11日、江原道の土地整理事業を再び現地で指導した。今年に入って2度目。2月10日発朝鮮中央通信が報道した時から約1ヵ月後に行われた。総書記は土地整理事業を終えたことを評価しながら、引き続き党の農業第1主義方針を掲げ、これに国家的力量を集中させるよう強調した。
総書記は、土地整理状況を具体的に把握し、道内の人民と、各道から動員された人民、軍人建設者、活動家らが膨大な量の工事を終えたことに満足の意を表しながら、彼らの活動を高く評価した。
また総書記は、土地整理事業が行われた結果、江原道では多くの農耕地が確保され、すべての農作業を機械でできるようになったとし、これからは農民をきつい仕事から解放しようと尽力していた金日成主席の念願を果たせるようになったと語った。
さらに、強盛大国建設のための大本である農業生産を急速に高めるには、朝鮮労働党の農業第1主義方針を引き続き掲げながら、これに国家的力量を集中させなければならないと指摘した。
そして、少ない労力で農業生産を高めるには、土地整理事業を優先させ、農村経営の総合的な機械化を実現できる条件を整えなければならないとし、全国の道、市、郡では江原道の土地整理事業の経験を積極的に学び、短期間でこの事業を終えねばならないと強調。事業が実生活に結びつくよう、農村の実情にあった農機械と肥料などを随時、保障しなければならないと指摘した。
また、「転換の年」である今年を豊作の年として輝かせなければならないと語った。
共和国国防委員会の李勇武副委員長、金国泰、金己男の両党書記が同行した。(朝鮮通信)
【解説】総書記は工事を終え多くの農耕地を確保したことについて評価しており、この時点で土地整理事業の目標は達成されたと言える。
江原道では3万ヘクタールの土地を2段階にわけて田畑として整理する予定だった。昨年9月から始まった1段階事業(2万ヘクタール)は昨年末までに終わっており、今年は2段階事業を推進していた。対象は金化郡、鉄原郡など軍事境界線に隣接する郡、板橋郡、法洞郡など山間地帯の郡、安辺郡など海岸沿いの郡。ちなみに江原道の平地では、稲作の前作として今春からジャガイモを栽培し、2毛作を実施する。
総書記は2月の指導の際、鉄原郡、高山郡、平康郡などを見て回りながら、農業に国家的力量を投入して食生活の問題を円滑に解決しなければならないと述べた。そして、食糧問題を解決するためにはジャガイモ栽培で革命を起こし、適地適作、適期適作の原則に基づいて2毛作を大々的に行い、種子革命を引き続き推し進めなければならないと指摘した。また、土地整理事業を終えた単位では、トラクターや田植え機をはじめとする農業に必要な機械をさらに生産、供給して機械化の水準を高め、良質の肥料を増産、供給するよう強調した。
共和国ではジャガイモ栽培面積を大幅に増やし、穀物増産をはかって食糧問題解決の一環にしようとしている。土地整理事業はジャガイモ栽培面積を増やすための対策で、江原道での経験は全国のモデルとなる。
農業省ではこのようにして、今春までにジャガイモ栽培面積を昨年比2倍に増やし、2002年まで体系的に拡大する計画だ。
国連食糧農業機関(FAO)の統計資料によると、共和国における昨年のジャガイモ作付面積は4万8000ヘクタールで、生産量は51万トン。ヘクタール当たりの収穫量は約1.6トンだった。